新卒採用を行っている企業の担当者からは、しばしば「いい学生が来ない」という声が聞かれます。応募してくる学生に取り立てて悪い点はないものの、かといって内定を出すほど決定的な長所も見つけられず、結果的に採用を見送ってしまう、というケースは多いものです。
このような状況に陥る原因は、「いい学生」の定義のあいまいさや、採用手法の選択ミスにあるかもしれません。いい学生を採用するためには求める人物像を明確にし、ターゲットに合った採用手法を選ぶことが大切です。
本記事では、いい学生の定義や見分け方、採用するためのコツについて解説します。採用手法の選定や、採用基準にお悩みの方はぜひご覧ください。
いい学生とは
ひと口に「いい学生」と言っても、具体的に求める人物像は企業によって異なります。例えば一定の学歴を求める企業もあれば、体育会系の人材を求める企業、協調性を求める企業もあるといった具合です。
企業の業種や社風によってマッチする学生は変わってきますが、以下のような点はどの企業でも共通して求められる傾向があります。
- 自分で考えて主体的に行動できる
- 相手の立場に立って考えられる
- ストレス耐性がある
注意しなければいけないのは、採用担当者が当たり前だと思っている条件でも、経営層は求めていなかったり、現場は他の面を重視していたりすることがあるという点です。自社にとっての「いい学生」の定義を明確にし、社内で共有する必要があります。
自社に合ったいい学生を採用した事例
ここでは、自社に合ったいい学生を採用できた事例をご紹介します。
株式会社テンダ
業界:ゲーム・アミューズメント機器、ソフトウェア・通信、インターネット関連
従業員数:連結229名(2022年5月末現在)
株式会社テンダは、ITソリューションやゲームコンテンツを手掛ける企業です。ITエンジニアを積極的に採用するため、理系学生に焦点を当てて採用活動を行ってきましたが、知名度が高くないこともあり苦戦していました。
そんな中で導入したのが『TECH OFFER』のダイレクトリクルーティングでした。IT業界に興味のある学生や、関連する技術を研究してきた学生などにアプローチした結果、理系学生の採用に成功しました。入社後も、ITや理系の知識がある人たちへの研修はスムーズで、現場からも「すごく頑張っている」という評価が得られているそうです。
参考:希望人材の採用に成功~テンダについて知らなかった学生との出会い~
フクシマガリレイ株式会社
業界:機械、生活関連機器、医療用機器、店舗・厨房総合システムの設計・施工
従業員数:連結2,205名(2021年3月期)
フクシマガリレイ株式会社は、飲食店の業務用冷凍冷蔵庫やスーパーの冷凍・冷蔵ショーケース、病院や研究機関で利用される製品などを開発する企業です。大学内のセミナーなどで母集団形成を図ってきましたが、コロナ禍の影響もあり集客ができず、内定辞退率の上昇にも悩まされていました。
そこで学生にヒアリングをしたところ、4人中3人が『TECH OFFER』などのスカウト型サイトで就活をしているという回答があり、導入に至りました。自社が募集する製品開発、店舗設計、システムエンジニアなどの職種について、キーワードがマッチする学生に効率的にアプローチができたそうです。その結果、例年は選考に上がる理系の大学院生が2〜3割程度だったのに対し、導入後は6割程度まで増加しました。
参考:就活の変化を痛感!競争率の高い“理系人材”にミスマッチのないオファーを実現
株式会社構造計画研究所
業界:専門コンサルティング、ソフトウェア、情報処理、シンクタンク・マーケティング・調査、建築設計
従業員数:623名
株式会社構造計画研究所は、特殊物の構造解析や災害リスク評価、社会シミュレーションなどをはじめとした、エンジニアリングコンサルティングやプロダクツサービスを展開する企業です。毎年30~40名の新卒を採用してきましたが、ナビサイトや合同説明会で応募してくる学生とのマッチ率が年々低下し、採用に苦戦していました。
そこで、オファー型のサービスである『TECH OFFER』を導入することにしました。『TECH OFFER』には研究や専攻に熱意とこだわりを持った学生が多く登録していると感じたそうです。
一方で、入社後の配属が必ずしもその研究が活かせる部署になるとは限りません。そのため同社では、会社説明会で中堅所員が登壇し、研究分野に幅を持つことの重要性も話しています。これによりミスマッチを防ぎ、柔軟性のある学生の採用につなげているそうです。
参考:幅広い学生へのアプローチを実現し、かつ母集団形成に重要なインターンシップへの参加募集時から活用することにより、低負荷で高い効果を実感
いい学生の見分け方
いい学生を見分ける方法には、次のようなものがあります。
- コミュニケーション力を重視する
- 活躍する社員のパターンを知る
- インターンでじっくり見極める
それぞれ詳しく見てみましょう。
コミュニケーション力を重視する
どのような仕事においてもコミュニケーション力は必要です。学生側もそのことをよく分かっているので、最近は模擬面接などで面接の受け答えなどを訓練してくるケースも多くなっています。
しかし、コミュニケーション力は面接で上手く話すことだけを指すのではありません。話を聴く力や、ふとした時のマナー、電話やメールのレスポンスの速さなど、さまざまな場面で垣間見えるものです。選考の過程で抱いた印象や違和感は当たりますから、コミュニケーション力は面接以外の部分も含めて、総合的に評価することが大切です。
活躍する社員のパターンを知る
いい学生が採用できたと思っても、実際にどれほどのパフォーマンスを発揮するかは入社してみないと分からない面があります。そこで、自社でいま活躍している社員について分析し、その共通点を軸にして学生を選考するのも有効な方法です。
具体的には、社内の優秀な社員に学生時代のエピソードをヒアリングする、志望動機を聞く、将来のビジョンを聞く、などです。これらの回答を参考にして、似たような志向の学生を採用すると、入社後に活躍してくれる可能性が高まります。
インターンでじっくり見極める
会社説明会や面接の時間は限られているため、その中で人物像や適性を判断するには限度があります。短時間であれば、学生もその場を取り繕って乗り切ろうとするかもしれません。
そんな時は、インターンでじっくり見極めるのがおすすめです。たとえ1dayなどの短期インターンであっても、一緒に作業をしたり、ランチをしたりすると雑談の時間も生まれるため、人柄がつかみやすくなります。
いい学生を採用するためのコツ
ここからは、いい学生を採用するためのコツをご紹介します。
- 学生のペルソナを分析する
- 自社の魅力を分析する
- 適切な採用手法を選ぶ
学生のペルソナを分析する
ペルソナとは直訳で「人格」を意味し、マーケティング用語では「架空のお客様」を表す言葉です。ビジネスの戦略を立てる際には、モデルとなる人物の性別、居住地、家族構成、趣味、性格などを設定するという手法が使われます。
ペルソナ分析は、新卒採用においても有効です。前述の「自社で活躍している社員」をモデルにしながら、求める人材のキャラクターを細かく設定してみましょう。選考の際は、応募者がペルソナに近いかどうかで判断できるため、軸がブレにくくなるという効果があります。
自社の魅力を分析する
いい学生が見つかっても、自社を志望してくれなければ意味がありません。そのため、自社の魅力を効果的に伝えることも大切です。
まずは自社の魅力について、思いつく限り洗い出してみましょう。その中で自社が推したい点ではなく、ペルソナに響きそうな点を前面に打ち出すのがポイントです。例えば企業側は業績や成長性をアピールしたくても、学生側は年間休日数や福利厚生の充実を重視している、ということがよくあります。
自社の魅力のアピール方法を工夫することで、応募数を増やして母集団形成を図りましょう。
適切な採用手法を選ぶ
いい学生を採用するためには、適切な採用手法を選ぶことも大切です。代表的な方法には、次のようなものがあります。
- ダイレクトリクルーティング
- ナビサイト
- 合同説明会
- 人材紹介
- インターンシップ
ナビサイトは多くの企業と学生が利用しており、採用方法の定番とも言える方法です。一方で、掲載企業の数が多かったり、不特定多数の学生を対象にしていたりするため、母集団の形成に苦戦する企業も増えています。
そこで近年急速に広まっているのが、ダイレクトリクルーティングという手法です。ダイレクトリクルーティングとは企業が学生をスカウトする方法で、「攻めの採用」とも言われています。少子化による人材不足や、学生の多様化に対応するために有効な手段です。
いい学生を採用するなら『TECH OFFER』
いい学生を採用するためには、求める人物像を明確にし、色々な角度から適性を見極めることが大切です。また、時代の変化に対応するためには適切な採用手法を選択することも欠かせません。
理系学生を対象としたダイレクトリクルーティングを検討されている方には、『TECH OFFER』がおすすめです。学生の専攻や研究内容を軸にしたオファーが可能なため、自社に合った人材に出会える可能性が高まります。新卒採用のノウハウもご提供いたしますので、ぜひお気軽にご相談下さい。