最近の就活は情報戦とも言われており、学生はあらゆる方法で情報収集しています。ナビサイトや採用サイトはもちろんのこと、口コミサイトやSNSでリアルな情報を集めているのが特徴です。インターツアー社の調査では、就活生の93.5%が口コミを参考にしていることが明らかになりました。
みなさんは、自分の会社がどのような口コミ評価を受けているかご存知でしょうか。自社の魅力を効果的に伝えるためには、口コミを活用していくことも大切です。
本記事では、就活生の口コミに対する意識や、企業が実施すべき口コミ対策について解説します。採用ブランディングのポイントについても解説していますので、ぜひご覧ください。
就活生の口コミに対する意識調査
はじめに、就活生は口コミについて、何をどれくらい意識しているのかを見てみましょう。以下の項目について、株式会社インタツアーや株式会社電通が実施したアンケート調査をもとに解説します。
- 口コミは人気ランキングよりも重要
- 口コミを見る場面と目的
- 口コミで知りたいこと
引用:【就活におけるクチコミの活用状況調査】 | 株式会社インタツアーのプレスリリース
就職人気企業ランキングはもう古い!?今の就活生インサイトとは | ウェブ電通報
口コミは人気ランキングよりも重要
こちらは、インタツアーが22卒・23卒の計275名に「就活中にクチコミを見ましたか?」と尋ねた結果です。「見た」と答えた人が93.5%に上っており、今や口コミの確認は就活の基本とも言えます。
また、こちらは電通が大学3〜4年生(2024年1月時点)107名に「就職先を決める上で、就職人気ランキングと従業員の口コミどちらの情報を重視していますか」と尋ねた結果です。「従業員の口コミ」「どちらかと言うと従業員の口コミ」と答えた人が、合わせて約70%となりました。
人気ランキングも参考にはなりますが、自分が実際に働くことを考えて、よりリアルな情報を求めていると言えそうです。
口コミを見る場面と目的
こちらは、インタツアーのアンケートで「クチコミはどういう時にどのような目的で見ますか?」と尋ねた結果です。「選考前に、ESの参考にするため」が最多の68.1%で、2位以下に大きく差をつけました。他にも、「選考時に、どんな質問がされたか事前に知るため(40.1%)」や「選考時に、志望動機などの参考にするため(37.7%)」などが上位にランクインしており、選考対策に利用していることが分かります。
この他、「選考参加の決め手にするため」や「内定後に、内定承諾の決め手にするため」など、意思決定の参考にする人もいるようです。
口コミで知りたいこと
上記は、インタツアーの調査で「ナビサイトの情報と比べて、クチコミで知りたい情報は何ですか?」と尋ねた結果です。1位は「入社前とのギャップ(58.8%)」、2位は「社風(48.2%)」、3位は「年収(42.4%)」という順になりました。
全体的に、企業の公式サイトでは分からなかったり、人事には直接聞きにくかったりする情報が多い印象です。企業目線で発信されたポジティブな情報だけでなく、従業員目線のリアルな情報が知りたいというニーズが感じられます。
採用ブランディングのカギは「就活ジャーニーマップ」
採用ブランディングと言うと、まずはWebサイトや説明会のことを考える方が多いと思います。しかし、先ほどの調査結果を見ても分かる通り、最近は口コミ情報も採用ブランディングの大事な要素となっています。
ここからは、採用ブランディングで役立つ「就活ジャーニーマップ」という考え方を紹介します。
- 就活ジャーニーマップとは
- 口コミの活用方法
就活ジャーニーマップとは
引用:就職人気企業ランキングはもう古い!?今の就活生インサイトとは | ウェブ電通報
就活ジャーニーマップとは、電通が企業の採用ブランディングを支援するために、マーケティングの「カスタマージャーニー」を応用して開発したものです。
カスタマージャーニーは、直訳すると「顧客の旅」になり、顧客が商品を購入するまでの行動や思考を表す言葉です。具体的には「興味関心→情報収集→比較検討→購入」といった段階ごとに、顧客は何を考えるのか、売り手は何をすべきかなどを分析します。
就活は購買行動ではありませんが、共通する点も多いのが特徴です。学生は、はじめに企業の存在を認知し、求人があることを知って、募集要項を調べます。その中で、仕事内容や待遇、社風などに魅力を感じると、応募につながるというわけです。
企業が採用を成功させるためには、段階ごとに学生のニーズを満たし、本人も気付いていないような心理に働きかけることが大切になります。
口コミの活用方法
ここでは、口コミの効果的な活用方法について解説します。例として、「企業名を知っている」から「就職先として意識する」というフェーズへの移行について考えてみましょう。
仮にあなたの企業が、世間で「ものづくりメーカー」として認知されていた場合、機械・工学系の学生は比較的集めやすいはずです。しかし、それ以外の学生には「自分には縁のない企業だ」と考えられてしまい、就職先として意識されにくくなります。実際に、ものづくりの企業が「実はIT事業にも力を入れてるが、情報系の学生が集まらない」というのは、よく聞く話です。
対策としては、情報系出身の既存社員から、積極的に口コミを発信してもらうということが考えられます。「自分と同じ情報系の人が活躍しているんだ」と知ることで親近感が沸き、自分の就職先としてどうかな?と意識してもらうことにつながります。
このとき、社長や人事など企業目線での発信ではなく、あくまで従業員のリアルな声として発信することがポイントです。
企業が実施すべき口コミ対策3つ
企業が実施すべき口コミ対策は、以下の3つです。
- 自社の口コミを知る
- 悪い口コミに対応する
- 社員や退職者とコミュニケーションをとる
それぞれ以下で詳しく解説します。
自社の口コミを知る
みなさんは、自社の口コミを調べたことがあるでしょうか?対策を立てるためにはまず、現状を把握することが大切です。
企業の口コミサイトには、選考情報が中心の新卒向けサイトと、年収や職場環境の情報が中心の転職者向けのサイトがあります。転職者向けでは、次のようなサイトが有名です。
3つとも、登録しなくても一部の情報は閲覧できますが、無料会員登録をすることで詳しい口コミも読めるようになる仕組みです。まずは自社がどのように評価されているのかを知るところから始めましょう。
悪い口コミに対応する
自社の口コミを把握したら、次は悪い口コミへの対応を考えます。どの企業でも、多かれ少なかれネガティブな書き込みは存在するので、ゼロを目指す必要はありません。
ただ、内容が誤っている場合や、悪質な誹謗中傷の場合は、放置すると採用活動に悪影響を及ぼします。運営元に削除依頼を出したり、返信機能がある場合は正しい情報を投稿したりすることが有効です。
また、悪い口コミが事実の場合は、真摯に受け止めて社内で改善していくしかありません。返信機能がある場合はお詫びのコメントを入れたり、改善策を講じていることを説明したりしましょう。
社員や退職者とコミュニケーションをとる
口コミ対策は、短期間で結果が出にくいのが特徴です。急に良い口コミを増やすことはできないため、日頃から社員や退職者とコミュニケーションを取って不満に気付き、ケアしていくことが大切です。
特に、退職する人は会社に対して不満を持っていることも少なくありません。トラブルが原因で退職する場合、まれに「どうせ辞める人だから」と対応をおろそかにする企業もあるようですが、こうした態度は悪い口コミにつながります。
「口コミのため」というわけではありませんが、退職する人に対して誠意ある対応をすることも、企業として大切なことです。
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企業が自社の魅力をアピールするためには、口コミについても対策することが重要です。Webサイトや説明会に比べると、口コミ対策は遅れている企業が多いため、他社との差別化も期待できます。ぜひ、本記事で紹介した「就活ジャーニーマップ」を参考に、どのフェーズに・どのように働きかけるのかを検討してみてください。
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