東京の企業で理系学生を採用したいと考えているところは沢山あります。
しかし、いざ採用しようとしても、思うように採用活動が進まなかったり、応募自体が少なかったりといった現実に直面します。せっかく理系学生を採用するためにコストと手間をかけたのに、これでは意味がありません。
今回は東京の企業が理系学生の採用で苦戦するポイントや、採用するために意識したいポイントを解説します。
東京在住の経営者で理系を採用したい人は多い
withコロナの時代になり、ますます必要とされる「優秀な人材」。
特に理系人材は論理的な思考力が高いとされ採用面で大きな需要を得ています。
コロナ禍による業績悪化に伴い採用人数を減らさざるを得ない今だからこそ、優秀な人材を確保したいと考えている経営者は非常に多いです。
東京在住の経営者も同じように理系人材を採用したいと考えている方が多く、株式会社アカリクが行った「企業が求める優秀さ」において、「課題解決力が高い」「論理的思考力が高い」が求められている調査結果となっています。
同様に新卒での優秀な人材獲得に関する重要度も回答者の6割近くが「高まった」と回答しているため、今後ますます理系人材を採用したいと考える経営者は増えると予測できます。
東京で理系の採用に苦戦する理由
東京で理系学生を採用しようとすると、苦戦する企業が多くあります。
その理由としては、以下のものが考えられます。
- 理系学生の人数が少ない
- 大手企業ばかり志望されている
- 大学院への進学や推薦が多い
これらをまず知っておかなければ、採用で具体的な指針を打ち出せません。
それぞれどういった理由なのか詳しく解説します。
理系学生の人数が少ない
理系学生の人数が文系学生と比べると少ないということが理由の1つとして考えられます。
文部科学省のデータによれば、文系学生が全体の6割なのに対し、理系学生は約4割ほどです。
理系学生を採用したいと考えている企業が増えているのにも関わらず、理系学生は文系学生よりも少ないため、企業が取り合う形となっています。更に少子化も相まって、理系学生の数は年々減少しています。
そのため採用するのが難しくなっているのです。
大手企業ばかり志望されている
理系学生は大手企業を志望する傾向にあります。
これにはもちろん理由があり、知名度が高いという以外に、研究環境が充実しているという面もあります。
理系学生にとってみれば、より設備の整った環境で研究をしたいと考えるのは当然です。
また企業によっては会社のお金で大学院に勉強や研究をしに戻れたり、海外で経験を積めたりといったチャンスを作っているものまであります。
理系学生は大学・大学院を卒業するまでに膨大な学費や時間を費やします。
少しでも費やした分をリターンしたくて企業に就職する、という考え方もあるでしょう。
いずれにせよ、中小企業よりも安定した大手企業に就職を希望するというのは何らおかしいことではありません。
大学院への進学や推薦が多い
理系学生は文系学生よりも大学院に進学したり、推薦によって就職することが多い傾向にあります。
自身が研究したい内容によっては、就職活動をせずにそのまま大学院へ進み、大学でのキャリアを積む場合もあるでしょう。
また、理系学生は文系学生と同じような就職活動もしますが、スケジュール的にそれほど動けないため、大学や教授からの推薦で就職することも多くあります。
大学や研究室(教授)と繋がりのある企業に推薦を受けて採用へと進められれば、通常の就職活動と比べて手間とコストをかけることなく就活を終えられます。
研究へと時間を割かなければならないからこそ、理系学生は文系よりも独特の就活方法となっているのです。
東京で理系を採用するためにしたいこと
理系学生が採用しにくい点がわかったところで、東京ではどのように採用活動をすればいいのかを見てみましょう。
基本的な指針としては、求人広告を出して応募を待つのではなく、こちらからアプローチすることが大切です。
待っていては優秀な理系学生はなかなか来てくれません。
- 理系学生に特化した説明会を実施する
- 大学や研究室と連携を取る
- 大学やオンラインでの説明会を実施する
- ダイレクトリクルーティングを活用する
それぞれどういった方法か詳しく見てみましょう。
理系学生に特化した説明会を実施する
就活用のセミナーでも様々なサービスが展開されていますが、理系学生に特化した説明会を実施するのは良い方法です。
どのような説明会かというと、専門に特化していることが条件として挙げられます。
- データサイエンティスト
- 半導体
- アクチュアリー
以上のように専門とするジャンルを絞ることで、理系学生が訪れやすい環境を作り出しましょう。
こうした説明会は一般的な選考や説明会を苦手と感じている理系学生が参加するハードルを下げてくれるので、来てくれやすい傾向にあります。企業としてもターゲットを絞っているので自社の強みをアピールしやすく、理系学生とのマッチングとしても効果を発揮します。
近年では女性の理系学生をターゲットとした説明会や交流会も開催されていたりするので、自社に女性の理系社員がいるのなら先輩として出席してもらうのも良い方法でしょう。
大学や研究室と連携を取る
大学や研究室と連携を取るのは、理系学生を採用する上で非常に重要です。
理系学生は大学や研究室からの推薦により就職先を決めて採用まで進むことが多いため、就活市場に出ずに就職活動を終える場合が多くあります。
採用する企業が取る方法としては、大学や研究室へ積極的にアプローチし、コネクションを作ることです。
大学や研究室と良好な関係を構築できれば、大学や教授から推薦企業として紹介してもらえるため、理系学生を採用できる可能性がぐっと上がります。
またOB・OGが社員として働いていれば、社員を通じての紹介も可能でしょう。
大学やオンラインでの説明会を実施する
理系学生が在籍している大学やオンラインでの説明会を実施するのも効果的です。
研究で忙しく就活への時間をなかなか確保できない理系学生にとって、企業や会場まで足を運んで説明会に参加するのは非常に難しくなっています。
しかし大学やオンラインなら話は別です。
大学ならば研究室から少し足をのばせば参加できますし、オンラインに至ってはネット環境さえあればどこでも参加できます。
説明会への参加ハードルが一気に下がるため、実施しない手はありません。
更に大学で説明会を行うと、そのまま大学や研究室との関係作りにも繋がるためオススメです。
ダイレクトリクルーティングを利用する
近年人気の採用方法であるダイレクトリクルーティングを利用するのも良い方法です。
転職で良く利用されていたサービスですが、理系の新卒サービスとして提供しているところも増えてきています。
ダイレクトリクルーティングは登録している学生のみというデメリットはありますが、企業から積極的にアプローチすることで、自社に興味を持って応募してくれやすいというメリットがあります。
学生にとってみれは、自分に興味を持ってくれて嬉しいのはもちろん、早々に就活を決めれば後は研究に専念できるのです。ダイレクトリクルーティングは理系採用において強い味方となってくれるでしょう。
東京で理系を採用するには効果的な伝え方が必要
理系学生は人数が少ないため、ありきたりな表現ではなかなか心に響かず、他の企業に採用されてしまうなんてことも十分にあり得ます。
そのため、効果的な伝え方を意識することが何よりも重要です。
特に以下の点を意識してみてください。
- 大学訪問を積極的に行う
- 理系学生に配慮した柔軟なスケジュール対応をする
- 自社を魅力的に紹介するコンテンツを作成する
それぞれどういったことか詳しく見てみましょう。
大学訪問を積極的に行う
大学訪問を積極的に行い、大学や研究室との関係作りを行うことは大切です。
大学との関係作りが進むと、インターンシップ実施といった方法も視野に入ってきます。
理系学生・文系学生ともに就職を考える上で重要となってくるのが、実際に職場の体験をすることです。
会社の雰囲気を実際に感じることで全く興味のなかった企業に興味を持ち、就職先に選んだといったケースも多々あります。
そういった情報も自社で発表するのももちろん良いのですが、より理系学生に近い大学側で宣伝してもらうと更に効果に期待できます。大学や研究室と仲良くなって困ることはないため、積極的に大学訪問を行いましょう。
理系学生に配慮した柔軟なスケジュール対応をする
理系学生は文系学生と違い、就職活動が始まった頃に卒業のための研究に取りかかります。
そのため就職活動はどうしても片手間になってしまい、スケジュールの確保も難しいのが実状です。
理系学生を採用する企業としては、そういった理系学生の就活スケジュールを把握しつつ柔軟に対応することを求められます。
先述したように大学やオンラインで説明会を実施するのも同様です。
可能であれば、研究結果を活かせるエントリー方法を準備するのも良いでしょう。
就職活動用に研究動画を作成するのが難しい学生も多いため、例えば研究結果をそのまま使えるエントリー・選考方法を作ると、理系学生にとっては嬉しいポイントです。
以上のように理系学生に配慮した柔軟な対応を心がけましょう。
自社を魅力的に紹介するコンテンツを作成する
自社を魅力的に紹介するコンテンツを作成し、理系学生にアピールすることも重要です。
就活に思うように時間を割けない理系学生にとって、どんな企業かなのかがわかるコンテンツがあれば、それだけで良い判断材料となります。
新卒用の求人広告サイトに掲載されている募集要項は、どこも同じで差別化が図れません。
しかし自社で作ったコンテンツなら、自由自在に学生へアピールが可能です。
求人広告サイトのような形式もないため、オリジナルの切り口で理系学生へ魅力を伝えられます。説明会を実施した際に一緒にコンテンツを宣伝してみるのも良いでしょう。企業へと興味を持ってくれる第一歩となってくれるので、オススメです。
まとめ
東京で理系学生を採用するのは、学生の数が減少していることもあって年々難しくなってきています。
特に理系学生は文系学生と比べて就活のためにスケジュールを使えなかったり、大手企業を志望する傾向が強かったりと、採用が非常に難しいのが特徴です。
そのため理系学生に寄り添った採用活動をとる必要があります。
大学や研究室への関係作りとともに、大学での説明会を通して自社を知ってもらうことを第一に考えましょう。どのようにすれば理系学生が就職しやすいのかを考えることで、採用へのチャンスが巡ってきます。
理系学生のための環境作りを整えて採用活動へと望みましょう。