26卒採用のポイントは?
最新動向から見る就活生と企業のギャップ

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26卒採用のポイントは?<br>最新動向から見る就活生と企業のギャップ

新卒採用の早期化は、26卒でも続くことが見込まれます。インターンシップや説明会の準備をするにあたり、就活生のニーズを知りたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

『TECH OFFER』を運営する株式会社テックオーシャンでは、24卒〜26卒の学生や、新卒採用を実施する企業担当者に就活・採用活動のニーズに関するアンケート調査を行いました。その結果、就活生と企業の間にはさまざまな点でギャップがあることが分かりました

本記事では、26卒の採用動向や、就活生と企業のギャップを防ぐためのポイントについて詳しく解説します。26卒の対策がこれからという方も、ぜひご覧ください。

26卒の採用も早期化傾向

政府が要請する就活ルールでは、26卒の採用活動も例年通り大学3年生の3月1日から広報活動が解禁される予定です。一方で、近年は新卒採用の早期化が進んでいます。

上記左側のグラフは『TECH OFFER』に登録する26卒175名に、就活をスタートしたい時期について尋ねた結果です。調査を実施した2024年3月時点で学士の2割、修士の4割が就活をスタートさせていることが分かります

一方、右側のグラフは、新卒採用に関わる担当者193名に3月時点の採用状況を尋ねた結果です。「26卒採用の予定はあるがまだ動いていない」と答えた人が最多の37.4%となりました。また、動き出している企業でも「採用計画やスケジュールを検討中(26.8%)」や「インターンシップなど具体的な活動を企画中(15.2%)」など、まだ社外には情報をリリースできない状況の企業も多く見られました。

このことから、就活生と企業では、動き出す時期にギャップがあることが分かります。

就活生と企業の間に生じているギャップ

最近の採用活動において、就活生と企業の間にギャップが生じているのは、活動の開始時期だけではありません。ここからは『TECH OFFER』が実施した調査結果をもとに、以下の項目について解説します。

  • 重視する能力
  • 説明会で発信すべき情報
  • 事前の企業イメージと実際に選考を受けた印象

※以下で引用するデータには、25卒の就活生163名を対象とした調査結果を含みます。

重視する能力

「学生がアピールしたい能力」を尋ねたところ、最も多かったのは「専攻分野の知識(52.1%)」でした。一方、企業の採用担当者で「専攻分野の知識」を重視すると回答した人は、わずか26.3%でした。驚いたことに、「専攻分野の知識」は企業側が重視する能力のトップ10にすら入っていなかったのです。

実際のところ、企業側が重視する能力は「コミュニケーション能力」が72.7%で最多となりました。2位以下の項目が30〜40%台だったのに対し、コミュニケーション能力はダントツの結果です。

以上の結果から、「専門知識をアピールしたい就活生」と「コミュニケーション能力を重視する企業」というギャップが明らかになりました。

説明会で発信すべき情報

続いては、説明会で発信すべき情報についてです。

就活生が最も聞きたいことは「雰囲気や企業風土・働き方(33.0%)」、次いで「具体的な仕事内容(29.2%)」「事業内容(サービス・商品)(26.0%)」という結果になりました。

しかし、企業側が説明会で伝えたい情報のトップは「仕事や事業内容(サービス・商品)(28.8%)」です。学生が最も聞きたいと思っている「企業風土・働き方」については、わずか16.2%にとどまりました。この他、「福利厚生・社内制度」の割合も、就活生と企業では大きな差が見られます。

以上のことから、説明会で重視する情報にも、就活生と企業でギャップがあることが分かりました。

事前の企業イメージと実際に選考を受けた印象

こちらは株式会社生活総合サービスが、2020年4月以降に就活をして入社した男女1,000名に「就活生と企業の関係性に関する調査」を実施した結果です。

「事前に抱いていた各企業のイメージと実際の採用選考過程でネガティブなギャップを感じることはありましたか」という質問に対し、約半数の人が「あった」と回答しました。具体的にギャップを感じた点として、次のようなものが挙げられています。

  • 事前に聞いていたイメージと違った
  • 企業のことをあまり詳しく教えてくれなかった
  • 採用過程が機械的に感じた
  • 企業のイメージと人事担当や社員の印象が違った
  • 個人に寄り添ってほしかった

「詳しく教えてくれなかった」「機械的だった」「寄り添ってほしかった」などに共通するのは、自分が大切に扱われていないと感じている点です。ホスピタリティに欠ける対応が、ネガティブなギャップにつながりやすいようです。

就活生と企業の間でギャップが生じる原因

ここからは、就活生と企業の間でギャップが生じる原因について解説します。主な原因として、次の3つが考えられます。

  • 情報が少ない
  • 給与や条件面が分かりにくい
  • 良い面しか伝えていない

情報が少ない

提供する情報が少ないと、就活生と企業の間にギャップが生じやすくなります。私たちは、聞いていないことや曖昧なことについては、無意識に自分の都合の良いように解釈しがちです。これが後に大きなミスマッチに繋がってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

また、説明会で発信する情報についても、よく検討しなければなりません。例えば、経営理念やビジョンなど抽象的な話ばかりで、結局どんな仕事をするのかが見えてこない説明会は、意外に多いものです。

また、業務内容の説明においても「新規営業・ルート営業」のような用語を使うと、社会人経験の無い就活生はピンとこないかもしれません。高校生が聞いても分かるレベルまで噛み砕いて、丁寧に情報を提供することが大切です。

給与や条件面が分かりにくい

就活生からは、給与や条件面がわかりにくいという意見もよく聞かれます。例えば、就活生の関心が高い「テレワーク」についても、単に「テレワーク可能」だけだと、実態がよく分かりません。週に何回出社するのか、どの部署でもできるのかなどによって、働き方が大きく変わってきます。

同様に、「賞与年2回」とは実際のところいくらもらえるのか、「インセンティブあり」とはどのような条件でいくらなのかなども、分かりにくい部分です。もちろん、業績や本人の能力による部分も大きいため、金額を明記するのは難しいでしょう。

その場合は、変動する可能性があることを前置きしたうえで、過去の実績として「昨年度の新卒ではこうだった」「3年目の社員はこれくらい」という風に、具体例を示すのがおすすめです。

良い面しか伝えていない

企業の良い面しか伝えられていない場合にも、就活生と企業の間でギャップが生まれやすくなります。

企業によっては、選考過程で就活生が接するのは、人事や経営者だけという場合もあります。そうすると、どうしても企業にとって都合の良い情報が前面に出てしまい、現場で働く社員のリアルな声や悪い部分が見えにくくなるのがデメリットです。

例えば、人事が「私は定時退社してジムに通っている」と働きやすさをアピールしていても、実は定時退社ができるのは管理部門のごく一部の人だけ、ということもよくあります。決して就活生を騙すつもりはなく、嘘もついていないのですが、良い面しか伝えられないとギャップにつながります。

ギャップを防ぐための3つのポイント

就活生と企業のギャップを防ぐためには、次の3つの点が大切です。

  • 過去の採用について分析する
  • インターンシップを実施する
  • 現場社員にも協力してもらう

それぞれ詳しく解説します。

過去の採用について分析する

ギャップを防ぐためには、過去の採用について分析することが大切です

一般的に、新卒採用はターゲット設定から広報、選考まで、人事が主導で行います。新人研修までは人事が関わることも多いですが、配属後の教育やフォローは現場任せになりがちです。そうすると、その年のターゲット設定や選考基準などが適切だったかどうか、十分な振り返りができないまま、翌年の採用活動が始まってしまいます。

新人の働きぶりを間近で見ている現場社員は、「もっとこういう人材が良い」「業務内容はコレも説明しておいてほしい」など、今後の参考になる意見を持っているかもしれません。「採用しっぱなし」にならないよう、現場社員と連携して過去の採用について分析してみましょう。

インターンシップを実施する

インターンシップを実施することも、ギャップの防止には有効です。

実際の業務内容や会社の雰囲気を知ってもらうためには、対面形式のインターンシップに参加してもらうのが一番です。採用サイトや説明会で説明するよりも、はるかに多くのことが伝えられます。

特に、25卒からインターンシップ制度が大きく変わり、採用直結型のインターンシップも実施できるようになりました。就活生に自社を理解してもらうだけでなく、企業が就活生を理解するためにも重要なイベントとなったのです。

インターンシップについては、本選考以上に動き出しが早いため、出遅れないようにしっかり準備しておきたいところです。

現場社員にも協力してもらう

ギャップを防ぐためには、現場社員の協力も欠かせません

説明会やインターンシップで登壇してもらったり、座談会に参加してもらったりしましょう。特に、業務内容や職場環境については、人事が説明するよりも現場社員から説明した方が、正確で熱量が伝わりやすいことも多いです。

採用イベントの協力というと、よく若手社員が駆り出されますが、必ずしも就活生と年が近ければ良いというわけではありません。人前が苦手なタイプの若手がぼそぼそと話すぐらいなら、話が上手な30〜40代の中堅社員が登壇した方が良い場合もあります。

誰に頼むかはよく考えたうえで、採用戦略や課題も共有しつつ、組織全体で新卒採用に取り組みましょう。

就活生のニーズを押さえた採用戦略を立てよう!

『TECH OFFER』の独自調査では、就活生と企業の間で、選考で重視する能力や説明会で重視する情報にギャップがあることが明らかになりました。ギャップを最小限に抑えるためには、就活生のニーズを把握したうえで、説明会やインターンシップを企画することが大切です。

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