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本記事では理系採用時に人事担当が抑えておきたいポイントをわかりやすく解説しています。
理系の採用を考えている方は必見です。
理系採用をするときに人事が知っておきたい理系の特徴3選
理系採用をする際に、人事の担当者がまず知っておきたいポイントはどのような部分なのでしょうか。
文系と理系はそもそも考え方が大きく違うこともあり、人口の多い文系と同じように評価しては採用もなかなかできません。
そのため、以下のことを念頭において理系採用に臨みましょう。
- 理系学生は数字に強い
- 継続が得意で、集中力から来るメンタルが強い
- 論理的思考力に長けている
それぞれ詳しく説明していきます。
理系学生は数字に強い
理系学生は、学生時代から数学を扱うことが文系と比べて圧倒的に多いため、数字に対しても考え方が全く違います。
理系を卒業するとITエンジニアや機械・電気系、医療などへ就職するパターンが多いのもそのためです。
数字に弱いどころか苦手意識を持っている方が少ないため、数字を扱う部署への活躍が期待できます。
例えば、企業運営に必要不可欠な財務であったり、営業計画に関係する成長目標などがそれに当てはまります。
数字を活かせる職種に就くことで、理系の人材は最大限に活躍してくれるでしょう。
継続が得意で、集中力から来るメンタルが強い
理系学生の中には研究室に所属し夜遅くまで自分の研究課題と向き合い続けていた、という経験をした方も多くいます。
実験や研究結果を求めるためにひとつのことに集中し続ける力は、業務にも活かせる大きな強みです。
また、理系の人材といえば「大人しい」「草食系」といったイメージを抱きがちですが、メンタルが強い人材が多いのも特徴となっています。それは、体育会系のような外に向かってのメンタルではなく、ひとつのことを継続してやり続けられるメンタルです。
理系学生が研究職に向いているのは、諦めずに黙々とやり続けられる強いメンタルを持っているからに他なりません。
論理的思考力に長けている
理系の考え方は、基本的に「問題的→仮説→検証→改善」を繰り返すことにあります。
企業でも使われているPDCAに近い考え方です。
研究ひとつとっても、うまくいかないときにどのフローに問題があったのかを仮定し、改善していくことで前進していきます。
そうした考え方が身についているため、論理的な思考を自然と身につけているのが理系の特徴です。
そのため複雑な問題に対しても論理的に考えてアプローチすることができ、解決能力は極めて高いでしょう。
企業を運営する上で論理的思考力は役に立ってくれる能力のひとつです。
理系採用で人事が意識するべき難しいポイント4選
理系の人材が得がたい能力をいくつも持っているのは先述した通りですが、採用使用と思うと難しい部分があります。
特に文系で育ってきた人間にとっては学び方や考え方が全く違うため、同じように考えると採用面で苦労することになります。
そのため、理系の人材を採用する際に以下のポイントをまず意識するようにしてください。
- 文系と比べて理系学生は少ない
- 新卒採用にはなかなか進まない
- 大手志向が強い
- 就活スケジュールが文系とは全く違う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
文系と比べて理系学生は少ない
理系採用を困難にしている一番の要因は、なんといっても理系人口が少ないことです。
特に文系と比べると雲泥の差となっています。
中学や高校で選択科目を選んだ際、理系科目を選んだ人が文系より少ないと感じた方は多いでしょう。
さらにそれに拍車をかけているのが、大学卒業後の進路です。
理系の学生が大学卒業後に選ぶ進路は主に以下の2つがあり、
- 大学院へ進学
- 大学やゼミの教授からの推薦で就職
どちらも企業が求める市場へ出てきてくれない進路となっています。
そのため理系を求めているのにも関わらず採用市場に理系がいないという需要超過が起こっており、採用が難しくなっているのです。
新卒採用にはなかなか進まない
理系学生は文系と比べても新卒採用に進む確率が大きく少ないのが現状です。
先述したように理系学生はひとつの物事に粛々と打ち込む強さを持っているため、卒業後も大学院に進学する場合が多く、新卒採用にはなかなか進みません。
大学院に進学しない場合でも、大学やゼミの紹介からこれまで自分が学んできた内容を活かせる場所に進めることから、就職活動をしない場合すらあり得ます。
そのため、新卒採用で理系学生を採用するのは困難な状況となっています。
優秀な人材となるとなおさらです。
企業が新卒採用の場面で理系学生と出会えないのは、そもそも理系学生自体が市場に出ていないことが要因のひとつと言えるでしょう。
大手志向が強い
理系学生の考え方として、大学卒業後の進路は大手に就職するという傾向が見られます。
特に近年は顕著で、日系の大手メーカーが選ばれることが多くなっています。
これらの時点でも大手ではない企業では採用が難しく感じられますが、更に推薦で就職先を決める場合、大学との繋がりや教授のコネクションを利用するため、ますます採用が難しくなるでしょう。
大手志向が強いため、中小企業が理系を採用する場合は大手では得られないメリットを伝えることが必要になるでしょう。
先述したように理系は数字と向き合ってきた経験があるため、文系のようなフワフワとしたメリットではなく、明確に損得を判断できるメリットを伝えることが肝要です。
就活スケジュールが文系とは全く違う
理系と文系では就活スケジュールが全く違うことも覚えておきましょう。
文系の場合、3年生の秋~4年生までの間に卒業論文や卒業制作・単位の取得が中心となるため、新卒採用で積極的に動けます。
一方で理系の場合、3年生の後半から研究室に所属し、自身の研究に取り組むこととなります。
これだけを見ると採用時期が同じでも問題ないように見えますが、理系学生の場合、採用と並行して研究をしなければいけないため、まず時間の余裕がありません。
人事の採用担当はこの点を考慮してスケジュールを立てなければ、スケジュールが合わずに採用までたどり着けない可能性すらあるでしょう。
理系と文系はスケジュールが全く違うことを念頭に置いて採用を進めてください。
理系採用で人事が見るべきポイント3選
では、理系を採用する際に人事が見ておくべきポイントはどのようなものなのでしょうか。
基本的には通常の採用と変わりませんが、理系の場合、以下にも注意しておいてください。
- 研究成果をわかりやすく説明できているか
- 技術者としての能力があるか
- 同じ職場で働きたい人間か
どれも理系採用においては必要なポイントです。それぞれ詳しく見てみましょう。
研究成果をわかりやすく説明できているか
理系を採用する際には、まず研究成果をわかりやすく説明できているかをチェックしましょう。
というのも、理系の研究はその内容にある程度触れていなければわかりにくいものです。
そういった内容をどれだけわかりやすく人に説明できるかの能力を判断する必要があります。
例えば技術職や研究職で採用しようとした場合、理解していない人に向かってわかりやすく説明する能力が必須となります。
その際の判断基準は、わかりやすく伝える以外にも聞き取り辛い声で喋っていないかなど様々ですが、人に伝える能力は働く上で必須の能力です。
理系学生が研究成果を持参し説明してくれた際は、そういった部分もチェックしておきましょう。
技術者としての能力があるか
技術職として採用する場合、その能力も対象となります。
判断基準は企業により様々ですが、SPIや学校の成績表といった従来のものから、独自で作成したテストやレポートを提出させている企業もあります。
採用したい部署に従ってそういったデータを集め、技術者としての能力があるかを客観的に判断するのがオススメです。
また技術職の場合、求められる能力が「理系としての能力」なのはもちろん、円滑に人と関われる「コミュニケーション能力」も必要不可欠でしょう。
実験を行うような部署の場合、更に重たい器具や設備を動かせるだけの体力・力も必要です。
採用の際は、実際に現場で働いている職員にヒアリングしてから判断するべきポイントを事前に認識しておくと良いでしょう。
同じ職場で働きたい人間か
理系に限った話ではありませんが、その人物が同じ職場で働きたい人間かどうかも大切です。
ドラマや漫画の場合、キャラクター付けのために気難しい理系キャラクターが登場しますが、ああいった人材は実際にいると組織が上手く回りません。
仕事は上司や同僚と一緒になってするものである以上、ある程度好感が持てる性格かどうかは必須です。
特に営業職のような外出する仕事がほとんど無い場合、常に同僚と同じ室内にいる場合も多くなるため、必然的にある程度の社会性が求められます。
トラブルを未然に防ぐためにも、その人がどんな人物なのかを事前に把握することが必要です。
理系採用後も人事で適切にフォローをすることが大切
理系学生は、採用後にも人事で適切にフォローしましょう。
というのも、先述したように理系学生は文系と違い就職活動に使える時間がなく、少ない時間の中で就職先を決めているからです。
そのため、企業から内定を受けた後にも「本当にここで良かったんだろうか?」「もっと良い場所があったんじゃないだろうか?」と不安を感じる人が一定数います。
内定の後も自分の研究に再び戻るため、文系のように自由な時間がほとんどなく、企業主催のイベントにも参加できないでしょう。
参加できないことでますます不安が増して負のスパイラルに陥りかねないため、企業の人事は内定後・採用後も適切にフォローをすることが大切です。
特にコロナ禍の昨今では、GoogleMeetやZOOMを使ったオンラインでのコミュニケーションも有効な方法でしょう。
そうした細やかな心遣いにより、不安から内定辞退といった行動を減らすことができるので、きめ細かなフォローをするようにしましょう。
まとめ
近年、IT化が求められるようになり、理系の需要がますます高まってきています。
一方で理系の人材は減少傾向にあり、需要超過の状態が続いています。
積極的に理系を採用したいと考える人事も多いのですが、理系の場合、大学や教授からの紹介といった特殊な進路選択が多いためなかなか希望通りの採用ができません。
また理系学生は文系とは全く違う価値観とスケジュールで動いているため、採用時には意識を切り替えて臨むようにしましょう。
内定後も忙しくなかなか時間が作れないため、人事の方からきめ細かなフォローを実施し、ここで働きたいと思ってもらえることを心がけてくださいね。