新卒採用は年々早期化・複雑化しています。そのため、
「採用担当になったけど、スケジュールの組み方が分からない」
「毎年のようにルールが変わってしまい、昨年と何が違うのか分からない」
とお困りの方も多いのではないでしょうか。
新卒採用を成功させるためには、学生の動きやその年の制度変更などをしっかり頭に入れて、適切なスケジュールを組むことが重要です。
本記事では、年間の採用計画の目安や、スケジュールを組むときのポイントについて詳しく解説します。
春にはインターンシップサイトが、6月には大手ナビサイトがオープンします。他社に遅れをとらないよう、大まかな流れをチェックしておきましょう。
25卒採用市場の特徴
スケジュールを組む前に、まずは25卒採用市場の特徴をおさえておきましょう。主な特徴は以下のとおりです。
- 経団連の就活ルールは継続
- インターンシップは採用直結がOKに
特にインターンシップについては、前年までと変わる点があるので、注意が必要です。23卒・24卒採用市場の動向と合わせて確認していきましょう。
経団連の就活ルールは継続
経団連の就活ルールとは、学生が学業に専念しながら公正な就職活動をできるように定められたルールのことです。スケジュール面では具体的に、採用の情報解禁が3月1日、選考開始が6月1日、内定が10月1日とされています。
ただし、就活ルールはあくまで経団連に加盟する企業を対象とした自主的な規制であり、法的な拘束力はありませんでした。そこで21卒以降、経団連の就活ルールが廃止され、政府が引き継ぐことになったのです。
しかし実際のところ、21卒以降も実態としては経団連のスケジュールが踏襲されており、25卒も継続されることが内閣官房から発表されています。
参考:2024年度卒業・終了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方(内閣官房)
インターンシップは採用直結がOKに
インターンシップの本来の目的は学生が職業体験をすることです。そのため、これまではインターンシップで企業が広報活動や採用活動をすることは禁止されていました。
しかし2022年6月に関係省庁が合同で発表した方針により、「条件付きで」インターンシップを通して広報活動や採用活動をできることになったのです。今回の改正ポイントは以下の通りです。
- インターンシップは、実施期間や内容に基づいて4つの類型に分類する
- タイプ3とタイプ4に限り、条件付きで取得した学生情報を採用活動に活用できる
引用:インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(内閣官房)
23卒・24卒採用市場の動向
リクルートの調査によれば、23卒・24卒の採用市場には次のような傾向があることが分かっています。
- 企業の新卒採用意欲は大きく増加している
- 初任給を引き上げる企業が増加しており、「既に取り組んでいる」が27.8%、「今後取り組む予定」が27.1%
- 新卒採用の充足率は低下しており、22卒で80.5%、23卒で78.5%
初任給の引き上げや充足率の低下など、企業側にとっては厳しい内容ばかりですが、この傾向は25卒でも続くと予想されます。少しでも他社より有利な状況にするためには、年間の採用計画を綿密に立てることが大切です。
年間の採用計画の目安
ここからは、具体的なスケジュールの目安について解説します。26卒採用の場合は、2024年の6月頃から動き始めることが必要です。25卒の採用活動とも並行するため忙しくなりますが、遅れないようにしましょう。
6月~9月:夏期インターンシップの開催・採用広報・説明会の設定
2024年の6~9月をめどに、大学3年生を対象とした夏期インターンシップを開催しましょう。理系学生は4年生になると研究で忙しくなるため、意識の高い学生ほど早めに動き始める傾向があります。
また「25卒採用市場の特徴」の章で解説した通り、25卒から採用直結のインターンシップが解禁となっています。これは26卒でも変わりありません。インターンシップで得た学生情報を選考に活用したい場合は、「最低でも5日間」「職業体験が必須」などの条件があるため、よく調べてから企画することが必要です。
10月~12月:秋冬インターン・広報の準備
2024年の10~12月で、秋冬インターンを開催しましょう。この時期の学生は、夏休みと違ってまとまった時間を確保することが困難です。そのため、オープンカンパニー形式(1DAY)やキャリア教育形式(1~3日程度)で業界や自社のPRをするのに向いています。
時間を確保することが困難な分、秋冬のインターンに参加する学生は就活に意欲的です。この時期に自社の魅力付けができて、他社より優位な状況に立てれば、後の活動に大きく貢献するでしょう。
また、広報活動の準備も必要です。具体的には求人サイトやパンフレットの発注、就活イベントの出展計画などを進めます。
1月~2月:インターンシップ参加者のフォローと採用体制の準備
年が明けると、学生は試験勉強で忙しい時期に入ります。新規のインターンシップは実施しにくいため、過去の参加者へのフォローを中心に行いましょう。
インターンシップに参加してくれた学生限定の情報を発信して、エントリーシートや適性検査の免除やインターン生限定のイベントを準備することで志望度を上げることも可能です。
一方で、3月以降の広報活動解禁に向けて、社内で準備することは数多くあります。例えば面接日程の調整と会場の確保、広報で使うサイトやパンフレットの最終チェックなどです。3月以降は広報活動が解禁されて、社内準備に充てられる時間がなくなるので、入念に準備しましょう。
3月~5月:広報活動
3~5月は広報活動が解禁となり、会社説明会や就活イベント、オファーなどが活発になります。就活のピークと言える時期なので、ここでいかに多くの学生と接点を持ち、活動量を増やせるかが採用の成果を左右します。
採用担当者がキャパオーバーの場合は他部署に応援を要請するなど、全社を挙げて注力すべき時期です。
少子高齢化の影響もあり、採用活動は年々競争が激化しているため、闇雲に就活生にアタックするのではなく、採用ターゲットを明確にして、戦略的にアプローチしていきましょう。インターンシップで候補者となった就活生も漏れなくフォローすることが大切です。
6月~9月:選考・内定・内定者フォロー
6~9月は選考に進んだ学生の面接と内定出しをする時期です。採用担当者は忙しい状態が続きますが、チーム内でしっかり情報を共有しながら選考を進めましょう。
また、この時期は学生や他社の動向を把握することも大切です。部活を引退して遅めの就活を始める学生や、大手企業の選考に漏れて就活が2周目に入る学生もいます。
近年は多くの企業で採用充足率が下がっています。採用充足率を上げるためには、インターンシップを活用することが大切ですので、翌年度の採用活動時に内容を見直すことが大切です。
◆採用充足率の改善方法を知りたい方はこちら
10月~2月:内定式・入社前研修
10月以降は内定式や内定者研修を実施する時期です。最近は複数企業の内定を獲得し、最後に就職先を1社に絞るケースも多く見られます。
そのため、内定を出した後も辞退される可能性があり、油断は禁物です。内定者と信頼関係を築き、志望度を高い状態で維持してもらえるようにフォローしましょう。
学生は企業に不安を感じた時や、他社に魅力を感じた時に内定辞退に気持ちが揺らぎます。逆を返せば不安を払拭して、自社の魅力付けができれば内定辞退を防げるということです。内定辞退を防ぐクロージングを行い、就活生の背中を押しましょう。
◆内定辞退を防ぐ採用におけるクロージングが知りたい方はこちら
年間の採用計画を立てるときのポイント
ここからは、採用スケジュールを組むときのポイントを3つご紹介します。
- ターゲットとなる学生の動きを把握する
- 競合他社の動向をチェックする
- 前年度の反省を活かす
それぞれ詳しく見てみましょう。
ターゲットとなる学生の動きを把握する
採用スケジュールを組む際は、学生の動きを把握することが大切です。以下は学生の属性による特徴の一例です。
- 大手・外資系を志望する学生は就活のスタートが早い
- 体育会系の学生は就活のスタートが遅い(部活引退後)
- 理系学生は4年生になると研究が忙しい
採用担当者も1年以上ずっと全力で走り続けることは不可能ですから、自社が求める人材に合わせて業務にメリハリをつけましょう。
ターゲットとなる学生の動きを個別に把握するのであれば、ダイレクトリクルーティングというスカウト型のサービスを活用する方法もあります。学生とダイレクトでやり取りができるため、学生の動きを把握しやすいのが特徴です。
競合他社の動向をチェックする
競合他社の動向をチェックすることも重要です。例えば中小企業の場合、同じ日程で大手企業の説明会が行われていると、学生は大手の方に流れてしまう可能性が高いです。
また、広報に使っているツールや選考フローをリサーチすることで、競合を避けたり、良い部分を自社に取り入れたりすることもできます。
大手企業に負けない採用活動を行うためには、いかにして自社の魅力を学生に伝えるかを考えることが大切です。例えば、採用サイトを充実させて、先輩社員のインタビューや社内の様子を掲載することで、自社の魅力をアピールすることができるでしょう。
前年度の反省を活かす
採用スケジュールを組む際は、前年度の振り返りから始めることも有効です。実際に採用活動が始まって忙しくなると、つい目の前のことで精一杯になり、場当たり的な対応になってしまいます。
そのため、計画の時点で前年度の反省点と良かった点を整理しておくと、同じ失敗をすることなく、良かった部分を強化できるようになります。
特に近年は採用活動が早期化しており、3月の広報解禁時には既に企業間で差がついていることもあるでしょう。他社に負けない採用活動を行うためには、反省を行い常に新しい採用トレンドを押さえることが大切です。
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採用スケジュールは、就活に関するルールや学生の動向をよく理解したうえで組むことが大切です。採用を成功させるためにやるべきことは数多くありますが、効率良く着実にこなしていきましょう。
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