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新卒採用では売り手市場が続いており、攻めの採用としてスカウトサービスを利用する企業が増えています。一方で採用担当者からは「スカウトを送っても反響がない」「自社の条件では振り向いてもらえないのではないか」という声も聞かれます。
スカウトの返信率を上げるためには、本文の内容だけでなく、件名やターゲット設定、送信のタイミングなども工夫することが大切です。
本記事では、スカウトメールの返信率を上げるポイントについて詳しく解説します。スカウトの例文や成功事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
スカウトサービスの返信率とは
スカウトサービスの返信率とは、送信したスカウトメールのうち、返信があった件数の割合のことを指します。返信率の計算方法は、以下の通りです。
【 返信率 = 返信数 ÷ スカウト送信数 × 100 】
例:スカウトメールを200件送って、15件の返信が来た場合
返信率 = 15 ÷ 200 × 100 = 7.5%
返信率は職種や募集要件にもよりますが、平均すると10%程度と言われています。
スカウトサービスの魅力は、求人サイトや就活イベントなどに比べて、企業の知名度に左右されずにアプローチできることです。しかし、いくらスカウトを大量に送信しても、反響が無ければ採用にはつながりません。
スカウトの返信率を上げるためには、スカウト文や件名、送信のタイミングなど、さまざまな工夫が必要です。
スカウトサービスで採用に成功した事例
ここでは、スカウトサービスで新卒採用に成功した企業の事例を紹介します。
- 企業イメージとのズレを克服|ヤマハ株式会社
- 努力に比例して成果が上がる|水ing株式会社
- インターンシップにも活用|株式会社FUJI
企業イメージとのズレを克服|ヤマハ株式会社
楽器や音響機器で有名なヤマハ株式会社ですが、実は他にも半導体関連、自動車部品など幅広い商材を手掛けています。例年、理系学生を40名ほど新卒を採用していますが、音楽以外の領域では集客に苦戦していました。
そこで導入したのが、理系研究室や技術キーワードに強い『TECH OFFER』です。楽器や音楽ではない技術キーワードをベースにしたオファーでも、学生にしっかり届けることができました。その結果、『TECH OFFER』を通じて200名以上にオファーを受諾してもらうことに成功したということです。
努力に比例して成果が上がる|水ing株式会社
水ing株式会社は、上下水道施設の建設や管理運営を行っている企業です。施設の開発・設計から、し尿処理やバイオマスに関することまで、高い技術力で国内外の水道事業に貢献しています。
同社では採用担当3名で25〜30名の採用をしなければらなず、スカウトばかりに工数をかけられない状況でした。そこで導入したのが、オファーを自動化できる『TECH OFFER』です。『TECH OFFER』の担当者と一緒に試行錯誤した結果、システムで簡略化するところと人が手間をかけるところが明確になり、努力した分だけ成果を上げられる仕組みが構築できました。
インターンシップにも活用|株式会社FUJI
株式会社FUJIは、産業用ロボットを製造・販売する企業です。電子部品実装ロボットの分野ではトップシェアを誇り、世界60ヵ国以上で活躍しています。
同社はロボットメーカーのイメージがあるため、機械系の学生は比較的集まりやすいものの、情報系や電気系の学生が集まらないのが悩みでした。そこで導入したのが、理系に特化したスカウトサービスの『TECH OFFER』です。
本選考だけでなく、インターンシップの段階から情報系・電気系のプログラムを用意してアプローチすることで、接触できる学生の幅が広がりました。また、『TECH OFFER』を通して出会う学生は、他の学生に比べて高い関心を寄せてくれ、質問も鋭いので手応えを感じているということです。
スカウトサービスの返信率を上げる7つのポイント
スカウトサービスの返信率を上げるポイントは、以下の通りです。
- ターゲット設定は戦略的に行う
- 件名を工夫する
- 文面をカスタマイズする
- メリットを提示する
- 簡潔な文章にする
- 返信のハードルを下げる
- 送信のタイミングを工夫する
それぞれ詳しく解説します。
ターゲット設定は戦略的に行う
スカウト送信のターゲット設定は、戦略的に行いましょう。「何となく」で有名大学や近隣エリアの大学に絞り込んでしまうのは良くありません。あえて地方の大学や、専門分野から少しずれた学部などにもアプローチすることで、優秀な人材に出会える可能性が高まります。
上記のグラフは『TECH OFEER』が登録学生約600名に対して、希望条件以外のオファーについてアンケートをとった結果です。これによれば、「希望条件外のオファーは検討しない」と答えた学生は約2割にとどまり、8割近くの学生は「希望条件以外でも(条件つきで)検討する」ことが分かりました。
つまり、オファーを送る企業側が「この学生は自社を希望しないだろう」と決めつけてしまうのは良くないということです。さまざまな可能性を考えて、戦略的にターゲットを設定しましょう。
件名を工夫する
スカウトメールは、件名を工夫することも大切です。学生は日々大量のメールを受信しており、1日に50通以上のメールを受け取る人もいます。
全てのメールに目を通すことは難しい中で、開封するかどうかの決め手となるのが件名です。例えば次の2つの件名を比べてみましょう。
A:「未経験歓迎/ITエンジニアの募集」
B:「1年目から月給35万円・残業ほぼなし/未経験からITエンジニアを育てます」
Aでも内容は伝わりますが、無難過ぎて興味は湧きません。一方でBは「35万」や「残業ほぼなし」とフックになる箇所が2つあり、どんな企業なのか詳細を見てみたくなります。
このように、件名は20〜40文字を目安にして、重要なワードを前半に持ってくると効果的です。
文面をカスタマイズする
明らかに定型文だと分かるようなスカウト文は、最後まで読んでもらえず、返信率も低くなりがちです。最後まで読んで返信してもらうために、その学生をスカウトした理由や、自社との共通点を盛り込んで、文面をカスタマイズすることが有効です。
メリットを提示する
スカウトメールで一方的に自社のPRを並べただけでは、返信の動機づけができません。そんなときは、スカウトを受諾することで得られるメリットを提示するのがおすすめです。
上記は『TECH OFEER』の登録学生約600名に対して、重視しているオファー特典を調査した結果です。特典の中でも早期選考の案内は、「重視している」または「やや重視している」学生が9割以上にのぼっています。早期選考の他に、インターンシップの案内も効果が高いようです。
簡潔な文章にする
スカウトメールは簡潔な文章にすることも大切です。自社の魅力をなるべく多く伝えたい気持ちは分かりますが、文章が長すぎると読まれなくなってしまいます。
そのため、ターゲットに合わせてポイントを絞り、1〜2つの点について詳しく書くのがおすすめです。このとき、専門用語やビジネス用語を多用するとわかりにくくなるため、言葉選びにも注意しましょう。
返信のハードルを下げる
学生の多くは、スカウトに返信することで、即応募しなければならない空気になることを不安に思っています。ちょっと気になっただけなのに、次のやりとりで「志望動機は?」「いつ面接に来れる?」と言われると、逃げ腰になってしまうのも無理はありません。
そのため、まずは「座談会に参加」や「オンラインでカジュアル面談」などを設定しておくと、ハードルが下がって返信しやすくなります。
送信のタイミングを工夫する
スカウトの返信率を上げるためには、スカウト送信のタイミングも工夫しなければなりません。学生の生活サイクルを想像して、スカウトを読むゆとりのある時間帯に合わせて送りましょう。
具体的には、朝・夕の通学中の電車内や、週末などはメールを読む時間をとりやすいため、返信率が高くなると言われています。いろんな曜日や時間帯で送信してみて、効果を検証するのも良いでしょう。
ただし、早朝や深夜などのスカウト送信は印象が悪いので注意してください。
【例文】返信率を上げるメール
ここでは、返信されやすいスカウトメールの例文を紹介します。最後に工夫したポイント(※印)の解説もしているので、ぜひ参考にしてください。
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件名:【限定案内】※1 留学経験をお持ちの○○様へ/半導体メーカーの海外プロジェクトの求人
はじめまして、株式会社〇〇の採用担当をしております、〇〇と申します。△△さんのプロフィールを拝見し、留学経験をお持ちということでメールをお送りしました。※2
弊社は自動車や産業、インフラに使われる半導体を製造・販売している企業です。現在は中国・台湾などに海外拠点がありますが、2030年までにタイやシンガポールへの進出も計画中です。そのため、事業拡大に向けてグローバル人材を積極的に採用しております。
弊社に入社された場合、1ヶ月ほど本社研修をした後、半年間をめどに工場で製造過程を学んでいただきます。その後、希望と適性を考慮した上で営業職や開発職に本配属となる予定です。将来的には〇〇さんの語学力を活かし、海外のプロジェクトでもご活躍いただきたいと考えております。※3
もしよろしければ、このメールを受け取った方限定の座談会に参加してみませんか?現場社員も交えて、ざっくばらんにお話できる機会にしたいと考えております。選考に進まなくても構いませんので、ぜひご検討下さい。※4
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※1 件名に「限定案内」とつけることで、特別感を出しています
※2 学生の名前やスカウト理由を入れて、定型文ではないことを伝えています
※3 入社後のビジョンを具体的に提示しています
※4 「選考に進まなくても良い」と伝えて、ハードルを下げています
理系に特化したスカウトサービスなら『TECH OFFER』
スカウトの返信率を上げるためには、ただやみくもに送信件数を増やすのではなく、件名や文章、送信のタイミングなどを工夫することが大切です。学生の属性や志向にあわせて、興味を持ってもらえる方法を探りながら取り組みましょう。
理系に特化したスカウトサービス『TECH OFFER』では、登録学生の本音に迫るアンケート調査を実施し、情報提供の面でも企業様の採用活動をサポートしています。本記事で紹介したアンケートの詳細は、こちらから無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。