コミュニケーション能力を選考で見極める方法とは?評価基準の具体例も紹介

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コミュニケーション能力を選考で見極める方法とは?評価基準の具体例も紹介

コミュニケーション能力は、業種や職種を問わず必要な能力です。一方で、採用担当者からは「限られた面接時間で学生のコミュニケーション能力を見抜くのは難しい」という声もよく聞かれます。

コミュニケーション能力は伝える力だけでなく、聞く力や読み解く力も含むのが特徴です。そのため、コミュニケーション能力の評価基準を細かく分けて設定することで、客観的な評価をしやすくなります。

本記事では、コミュニケーション能力を見極めるポイントや、評価基準の具体例を紹介します。コミュニケーション能力の評価方法にお悩みの方も、ぜひご覧ください。

新卒採用で最も重視される「コミュニケーション能力」

引用:2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果 |日本経済団体連合会

コミュニケーション能力は、業種や職種を問わずどのような仕事でも求められる能力です。特に新卒採用においては、業務に関する経験やスキルが無い状態での選考になるため、コミュニケーション能力は最も重視される項目の1つと言えます。

上記のグラフは、経団連が「新卒採用の選考にあたって特に重視した点」を調査した結果です。グラフを見ると「コミュニケーション能力」を挙げた企業がダントツの1位で、82.4%にのぼっています。

新卒社員にコミュニケーション能力が備わっていることは、本人の成長や円滑な業務、社外との信頼関係を構築するために、非常に重要なポイントです。

コミュニケーション能力の3つの要素

「コミュニケーション能力が高い人」と言うと、外交的でよく喋る人のことを想像する方も多いのではないでしょうか。確かに話がうまいことも1つの要素ではありますが、コミュニケーションは双方向で成り立つものなので、これだけでコミュニケーション能力が高いとは言い切れません。

ここでは、コミュニケーションを構成する次の3つの要素について解説します。

  • 伝える力
  • 受け取る力
  • 読み解く力

伝える力

コミュニケーションと聞いて、まず思いつくのが伝える力です。具体的には「話す」「書く」などの言語を用いる方法と、「表情」「しぐさ」など非言語の方法があります。

自分が言いたいことを正しく伝えるためには、どんな言葉を使って、どの順序で伝えるかを工夫しなければなりません。また、同じ情報を伝える場合でも、相手の理解度や関係性によって伝え方を変えることも必要になります。

受け取る力

受け取る力とは、話を聞いたり文章を読んだりして、情報を正しく理解する力のことを言います。情報共有や意思疎通をするためには、相手の話を最後まできちんと聞くことが大切です。

また、相手の話もただ聞けば良いわけではなく、「内容を理解して聞いていますよ」と態度で示すことも必要です。そのためには、相手の目を見てうなずいたり、あいづちをうったり、ときには理解を深めるために質問を投げかけることもあります。

読み解く力

読み解く力とは、言葉以外の表情や声のトーン、しぐさなどから、相手の気持ちを汲み取る力のことです。

例えば、自分が失敗して謝罪した際、相手が「もういいよ」と言ったとします。この言葉は、相手が許してくれたとも取れますし、失望や諦めを表しているとも考えられます。そのため、相手の表情や前後の文脈などを総合的に考えて、読み解く力が必要になってくるのです。

心理学の世界には、「メラビアンの法則」という有名な理論があります。これは、人が相手の感情を読み取る際の情報は、言語から7%、聴覚(声の大きさや速さ、口調)から38%、視覚(表情、視線、しぐさ)から55%の割合で影響を受けている、というものです。

このことからも、コミュニケーションには言語以外の情報を読み解く力が欠かせないことが分かります。

コミュニケーション能力を選考で見極める5つのポイント

コミュニケーション能力を選考で見極めるためには、次の点がポイントになります。

  • 論理的思考力
  • 表現力
  • 傾聴力
  • 状況把握力
  • 提案力

それぞれ、具体的にどのような能力を指すのか見てみましょう。

論理的思考力

論理的思考力とは、事実や前提に基づいて、合理的な結論を導く力のことです。人に何かを伝えるときには、主観や感情ではなく、筋道を立てて説明することが大切になります。

特に仕事においては、意見が違う人を説得したり、チームを統率したりすることも多いです。そのような場面でも、ものごとを論理的に考え、説明できる力が求められます。

表現力

コミュニケーションをとるうえでは、表現力も大切です。

例えば営業職であれば、自社の商品がいかに素晴らしいかを伝える際、表情豊かに緩急をつけて話した方が、相手を引き込みやすく、成約につながる可能性が高まります。反対に、表情が乏しく、トークマニュアルを棒読みしているようでは、どれほど素晴らしい情報を伝えていても、相手の心に響きません。

営業職以外でも、相手にわかりやすく伝えたり、共感を示したりするときには、表現力が必要になります

傾聴力

傾聴力とは、相手の話に熱心に耳を傾け、相手を尊重しながら適切に対応する能力のことです。ただ話を聞くだけではなく、言葉の背景にある感情も想像しながら共感を示すことで、信頼関係が深まります。

傾聴力は仕事においても、顧客のニーズを引き出したり、上司や部下との距離を縮めたりするのに必要な能力です

状況把握力

状況把握力とは、一から十まで全て説明されなくても、自分で状況を判断して適切な行動をとる能力のことです

例えば顧客からクレームが入った際、怒っている相手に対して初歩的なことまで聞いてしまうと、「そんなことも分からないのか!」と余計に怒らせ、信頼を失ってしまう可能性があります。

少ない情報でも状況を見極め、今の自分にできること・できないことを判断して行動に移すことは、社会人として大切な能力です。

提案力

提案力とは、課題に対して適切な解決法を選んで提示し、相手に受け入れてもらう能力のことを言います。たとえ良い解決法であっても、提案の仕方によっては相手が納得してくれないこともあります。

そのため、押し付けたりプライドを傷つけたりすることなく、相手の立場を考えながら提案することが大切です。

コミュニケーション能力の評価基準の具体例

選考で使用するコミュニケーション能力の評価基準について、具体例を紹介します。

  • 気持ちの良い挨拶やお礼ができる
  • 話すときの声量や速度が適切である
  • 敬語を正しく使いこなせる
  • 話を聞くときのあいづちや表情が適切である
  • 相手の話をさえぎったり、間の悪い入り方をしたりしない
  • 自分の意見を押し通すことなく、他人の意見も取り入れて調整できる
  • 長い話や説明を、要約して伝えられる
  • 手書きの書類は、丁寧に読みやすい字で書ける
  • 嘘をついたり、隠し事をしたりしない

リスト化するとどれも当たり前のことばかりに思えますが、選考するうえでは評価基準を明確にし、言語化しておくことが大切です。

例えば採用担当者が複数名いる企業の場合、「○○さんは何となく印象が悪かった」と言っても、他の担当者には何が悪かったのか理解できません。そんなときに評価基準があれば「敬語の評価が5段階の2だった」「発表は上手だったけど、話を聞く態度が1だった」というように共有できるのがメリットです。

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コミュニケーション能力は、新卒採用で最も重視される能力ですが、論理的思考量や表現力などさまざまな能力が関係するため、評価しにくいのが特徴です。学生の本質を見極め、公平な評価を実施するためにも、評価基準を明確にしておきましょう。

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