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新卒の採用活動では「説明会から選考に進んでもらえない」「内定辞退が多い」など、志望度の維持や向上に苦労しているという声をよく耳にします。せっかく自社に興味を持ってくれたのに、志望度を上げきれずに他社に流れてしまうのは避けたいところです。
『TECH OFFER』が24卒の理系学生を対象にアンケートを実施したところ、就活生の志望度には採用担当者の対応が大きく影響することが分かりました。
本記事では、志望度を維持・向上する方法について、選考ステップごとに詳しく解説します。説明会や面接で使える具体策を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
24卒理系学生の就活状況
志望度について解説する前に、まずは24卒理系学生の就活状況を見てみましょう。
上記のグラフは、『TECH OFFER』に登録する24卒の学生516名を対象に、2023年7月時点のエントリー数と面接数を調査した結果です。グラフを見ると、エントリー数は「16社以上」と答えた人が最多で27.9%となっています。また、面接数については「6〜10社」と回答した人が最多で、30.0%でした。
全体の分布を見ても、エントリー・面接とも6社以上と回答した人が半数を超えています。したがって、企業が新卒社員を獲得するためには、複数の企業の中から自社を第一志望に選んでもらわなければならないということが分かります。
企業への志望度に関するアンケート調査
ここでは、企業への志望度に関するアンケート調査の結果を紹介します。
- 志望度が下がった理由
- 志望度が上がった理由
志望度の変化には、採用担当者の対応が大きく影響していることが明らかになりました。
志望度が下がった理由
前述の調査で「説明会や交流会に参加して、ここは行きたくないと感じた企業はありますか?」と尋ねたところ、83.7%の学生が「ある」と回答しました。
また、上記は「この企業に行きたくない」と感じた理由をまとめたものです。「企業の雰囲気が合わないと感じた」や「職種や業務内容が希望と違った」などは、学生側の志向にもよるため、ある程度は仕方がないことだと言えます。
一方で、「担当者の態度・印象が悪い」という理由で「この企業に行きたくない」と思われてしまうのは、企業にとって大きな損失です。仕事内容や条件面には問題がなく、本来なら自社を志望してくれたはずの学生を、担当者の態度が原因で逃しているケースが多いことが分かりました。
志望度が上がった理由
同調査で、説明会や交流会に参加して良かった企業の理由や特徴について尋ねたところ、次のような回答が得られました。
- HPには載っていない情報の開示があった
- 会社の弱みも教えてくれた
- 社員や職場の雰囲気がリアルに感じられた
- 1on1でのコミュニケーションがあった
説明会や交流会では、ネガティブな情報もきちんと伝えたり、1対1のコミュニケーションをとったりして、学生と真摯に向き合う姿勢が評価されているようです。
説明会で志望度を維持・向上するポイント
説明会で志望度を維持・向上するポイントは、次の3点です。
- ネットに載っていない情報を盛り込む
- 仕事をイメージしやすいように説明する
- アピールポイントを絞る
以下で詳しく解説します。
ネットに載っていない情報を盛り込む
説明会では、ネットに載っていない情報を盛り込むことが有効です。
ほとんどの学生は、企業のホームページや採用サイトを見たうえで説明会に参加するため、ネットを見れば分かることを説明されても、あまり印象に残りません。説明会に参加したからこそ聞ける、面白い裏話やエピソードなどがあると「参加して良かった」「企業のことを理解できた」と感じ、志望度が上がりやすくなります。
仕事をイメージしやすいように説明する
人は、知らないものを好きになることはできません。これは就活でも同じで、事業内容や仕事内容をきちんと理解できないと、志望度も上がらないということになります。
例えば、営業職の仕事内容を説明する際、「商談」という単語がよく使われます。学生も「商談」の意味は知っているかもしれませんが、実際にどのようなものなのかをイメージできる人は少ないです。
仕事内容を説明する際は、写真や動画を使ったり、現場を見てもらったりすると、理解が深まって志望度も上がりやすくなります。
アピールポイントを絞る
説明会では、自社のアピールポイントを絞ってプレゼンテーションすることも大切です。
就活生は短期間で多くの説明会に参加するため、情報を混同しがちです。自社でアピールしたいことはたくさんあると思いますが、あれもこれもと詰め込むと、結果的に印象に残らなくなってしまう可能性があります。
そのため、「〇〇社と言えばあの話!」と覚えてもらえるように、ポイントを絞って伝えることが有効です。
面接で志望度を維持・向上するポイント
面接で志望度を維持・向上するポイントには、次のようなものがあります。
- 1人の大人として対等に接する
- 学生に寄り添ったテーマで話す
- 面接のフィードバックをする
- 連絡はなるべく早くする
それぞれ詳しく見てみましょう。
1人の大人として対等に接する
面接では、学生を1人の大人として対等に接することが大切です。
面接官の偉そうな態度は、志望度の低下に直結します。特に管理職や役員クラスの態度に関して「失礼だ」と感じたことのある学生が多いため、注意が必要です。
一方で、「採用担当者が名刺をくれて、先に自己紹介をしてくれた」や「2回目に会ったときに、顔と名前、前回話した内容を覚えてくれていた」といったことで、志望度がアップした例もあります。
学生に寄り添ったテーマで話す
志望度を上げるためには、面接前にエントリーシートをよく読み込んで、学生に寄り添ったテーマで話すことも有効です。
学生の研究分野や部活、趣味などを軸にして質問することで「自分のことを知ろうとしてくれている」「認めてくれている」と感じやすくなります。このようなテーマなら自分の言葉で話しやすくなるため、人柄を見極められるのもメリットです。
面接のフィードバックをする
面接で合格の理由やアドバイスをフィードバックすることも、志望度の向上につながります。「あなたの〇〇なところが当社に合うと思った」のように具体的に伝えることで、自分がその企業で何を求められているのかを正しく理解できるようになります。
また、フィードバックはなるべくポジティブな内容が望ましいですが、ネガティブなことを伝える場合はアドバイスを添えるのがポイントです。例えば「自己PRの内容が薄い」場合には「自己PRに具体的なエピソードを追加すると、もっと良くなる」という伝え方をすると、学生は受け入れやすくなります。
連絡はなるべく早くする
志望度を維持するために、面接後の連絡はなるべく早くすることが大切です。
一部には、不合格の人には連絡をしない「サイレントお祈り」と呼ばれる対応をとる企業もあるようですが、結果連絡は合否に関係なくするべきです。サイレントお祈りは、不合格の学生に対して失礼なだけでなく、合格した学生への印象も悪くなってしまいます。
また、面接から結果連絡までの時間が空くと、不安を感じて他の企業を探したり、受かっても「補欠合格かもしれない」と感じて志望度が下がったりしてしまうこともあるため、注意が必要です。
就活生の志望度を維持・向上するためには誠実な対応が大切!
就活生の志望度を維持・向上する最も効果的な方法は、採用担当者が誠実な対応をすることです。どれほど魅力的な仕事や条件でも、企業の顔となる担当者の態度が悪いと、志望度が下がってしまいます。選考の場でも、就活生を1人のビジネスパーソンとみなして真摯に向き合うようにしましょう。
志望度を維持・向上するための施策を立てるためには、就活生の本音を知ることも大切です。以下のリンクから、本記事でも紹介した24卒理系学生の意識動向レポートが無料でダウンロードできますので、ぜひ参考にしてください。