26卒就活ルールの変更点とは?カギとなるインターンシップも徹底解説

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26卒就活ルールの変更点とは?カギとなるインターンシップも徹底解説

新卒の就活ルールは、これまでに何度も変更されてきました。21卒からは経団連の就活ルールが廃止され、従来のスケジュールを踏襲しつつ政府が主導しています。

現状、急な廃止や極端な変更が行われる可能性は低いものの「来年はどうすれば良いのか」と戸惑う採用担当者も多いのではないでしょうか。

26卒の就活ルールについては、政府が2023年4月に「インターンシップを活用した就職・採用活動日程ルールの見直しについて」という通達を出しており、一部の選考解禁日が早まることが決まっています。

本記事では、26卒の就活ルールの変更点について詳しく解説します。26卒の就活ルールがまだ把握できていないという方は、ぜひご覧ください。

26卒の就活ルール

そもそも「就活ルール」には、大きく2つの目的があります。1つは、学生が就活に追われ過ぎて学業が疎かになるのを防ぐこと、もう1つは公平・公正な採用活動を促進することです。以前は経団連が主導で大企業を中心に適用されていましたが、一部ではルールが形骸化していることを踏まえて、21卒以降は政府主導に切り替わっています。

26卒の就活ルールを従来のルールと比較すると、このような形になります。

25卒まで26卒~
広報活動開始卒業年度に入る直前の3月1日~卒業年度に入る直前の3月1日~
採用選考活動開始卒業年度の6月1日~卒業年度の6月1日~※ただし「専門活用型インターンシップ」に参加した学生は、インターンシップ後であれば6月以前の選考も可能
正式な内定日卒業年度の10月1日~卒業年度の10月1日~

以下で詳しく解説します。

25卒と変わらない点

就活ルールには、「広報活動の開始」「採用選考活動開始」「正式な内定日」にそれぞれ解禁日があります。

「広報活動の開始」とは、具体的に言うと求人情報を掲載したり、エントリーの受付を開始したりする日のことで、3月1日以降とされています。また「採用選考活動開始」は、企業が時間や場所を指定して、グループディスカッションや面接などを実施することを指し、6月1日が解禁日です。「正式な内定日」は企業が採用通知を出し、学生が入社承諾書を提出するなど、労働契約を締結する日のことで、10月1日以降とされています。

26卒においても、この3つの解禁日は原則として25卒と同じ日に設定されています。

26卒からの変更点

26卒からは、一定の条件を満たす場合に限り、6月1日より前に採用選考活動を開始できるようになります。その条件とは「インターンシップのタイプ3のうち、『専門活用型』の対象者であること」かつ「インターンシップ後に採用選考を経ること」です。

つまり、専門活用型のインターンシップに参加した学生であれば、3月1日の広報活動解禁以降であれば選考が可能になるということです。

参考:インターンシップを活用した就職・採用活動日程ルールの見直しについて|厚生労働省

就活ルール変更のカギとなるインターンシップ

ここで、今回の就活ルール変更のカギとなるインターンシップについておさらいしておきましょう。25卒から、インターンシップは目的や内容によって4つのタイプに分類されています。

タイプ1タイプ2タイプ3タイプ4
名称オープン・カンパニーキャリア教育汎用的能力・専門活用型インターンシップ高度専門型インターンシップ
目的個社や業界に関する情報提供・PR働くことへの理解を深めるための教育就業体験を通じて、学生にとっては自らの能力の見極め、企業にとっては学生の評価材料の取得就業体験を通じて、学生にとっては実践力の向上、企業にとっては学生の評価材料の取得
選考直結××

上記4つのタイプのうち、選考直結型で実施できるのは「タイプ3」と「タイプ4」のみとなっています。

参考:産学で変えるこれからのインターンシップ|産学協議会

専門活用型インターンシップの特徴

26卒の就活ルール変更でポイントになるのは、タイプ3「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」のうち、「専門活用型インターンシップ」です。このインターンシップの主な特徴は、以下の通りです。

<就業体験>
参加期間のうち、半分を越える日数を職場での就業体験に充てる必要があります。ただし、テレワークが常態化している場合にはテレワークを「職場」とみなすことが可能です。また、就業体験では職場の社員が学生を指導し、インターンシップ終了後にフィードバックを行うことも求められています。

<実施期間>
2週間以上の実施期間が必要です。

<実施時期>
学業との両立の観点から、学部3年・4年または修士1年・2年の長期休みに行うことが推奨されています。具体的には夏休み、冬休み、春休み、入試休みなどです。ただし、大学正課(※授業として行う正規の課業。課外活動ではないもの。)や博士課程はこの限りではありません。

専門活用型インターンシップの実施要件

専門活用型インターンシップを実施する際は、透明性を確保するために次の内容をホームページなどで公表することが求められています。

<産学協議会に準拠した情報開示要件>

  1. プログラムの趣旨(目的)
  2. 実施時期・期間、場所、募集人数、選抜方法、無給/有給等
  3. 就業体験の内容(受入れ職場に関する情報を含む)
  4. 就業体験を行う際に必要な能力
  5. インターンシップにおけるフィードバック
  6. 採用活動開始以降に限り、インターンシップを通じて取得した学生情報を活用する旨(活用内容の記載は任意)
  7. 当該年度のインターンシップ実施計画(時期・回数・規模等)
  8. インターンシップに係る実績概要(過去2~3年程度)
  9. 採用選考活動等の実績概要

<その他の開示要件>

  1. 就業体験を行う学生に求める大学における学修成果水準(GPA※等)
  2. 就業体験を行う際に学生に求める専門的能力
  3. 参考情報として、新卒一括採用に係る採用計画(採用人数等)

※GPA(グレード・ポイント・アベレージ)とは、対象科目の成績評価(グレード・ポイント)から算出される、総合成績のこと。

これらの情報を開示していないと、専門活用型のインターンシップを通して採用活動を行うことはできないので注意しましょう。

インターンシップのルール変更に関する学生の意識調査

さて、就活ルールやインターンシップの変更点が分かったところで、実際の就活生たちはどのように受け止めているのでしょうか。ここからは、インタツアー社が実施した、インターンシップのルール変更に関する意識調査の結果を紹介します。

引用:【25~26卒 インターンシップ意識調査】 | 株式会社インタツアーのプレスリリース 

上記は、「早期選考ができないはずの企業(タイプ1・2)が早期選考の案内を出していたらどう思うか」という質問に対する回答結果です。「特に何も思わない」が45.0%「採用に意欲的で好印象」が39.4%で、ネガティブな印象を抱く人はほとんどいないという結果になりました。

引用:【25~26卒 インターンシプ意識調査】 | 株式会社インタツアーのプレスリリース 

続いて、こちらは「ルール改定を守らない企業から選考案内が来たら受けるか」と尋ねた結果です。84.9%の学生が「受ける」、15.1%の学生が「受けない」と答えました。それぞれの具体的な理由には、次のような点が挙げられています。

<「受ける」と答えた理由>

  • チャンスを逃したくないため
  • できるだけ多くの企業を受けたいため
  • できるだけ早く就活を終えたいため
  • 他の就活生に遅れを取りたくないため
  • できるだけ多くの内定をもらいたいため

<「受けない」と答えた理由>

  • ルールを守らない・知らない企業に不安感や不信感があるから
  • そもそもルールを守らないことが嫌いだから・ルール違反をしたくない
  • もし採用されても辞退すると思うため

以上の結果から、学生の間でも就活の早期化は意識されており、チャンスがあれば少しでも挑戦したい、早く内定を獲得したいと考えていることがうかがえます。一方で、ルール違反をする企業に対しては、他の面でも規範意識が低いのではないかと不安視する意見もあがっており、6〜7人に1人は「ルールを守らない企業の選考は受けない」ことが分かりました。

就活ルール変更に伴う注意点

就活ルール変更に伴う注意点として、次の3点が挙げられます。

  • 多様な人材の活躍を促すため、新卒学生だけでなく院卒学生、海外にいる日本人留学生や国内にいる外国人留学生などにも、インターンシップや選考の機会を設ける
  • 実施企業は、学生の専門性や能力に応じて、就業後のキャリアパスが適切に形成されるよう配慮して採用を行う
  • 学生の職業選択の自由を確保するため、オワハラ※を行わないように注意する

※オワハラとは「就活終われハラスメント」の略で、企業側が学生に対して、他社の選考や内定を辞退して就活を終わるよう迫ること。

特にオワハラについては、最近トラブルが増えているので注意が必要です。例えば、内定承諾書の早期提出を強要したり、内定辞退を申し出た学生に対して、しつこく何度も話し合いを求めたりすることは、オワハラにあたる可能性があります。圧力をかけるのではなく、自社の魅力や信頼関係によって内定者をつなぎとめるようにしましょう。

参考:インターンシップを活用した就職・採用活動日程ルールの見直しについて|厚生労働省

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26卒における就活ルールの変更は、インターンシップの活用がカギとなっています。専門活用型インターンシップの参加者においては、これまで以上に選考が早期化することが予想されるため、計画的に準備しておきましょう。

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