近年、人手不足に悩む企業は増えており、サービスの縮小や店舗の閉鎖に追い込まれる企業もあらわれています。 人手不足を解消するためには、新卒採用で一気に人材を確保したいところですが、そう簡単ではありません。新卒採用は 少子化の影響で難化しているうえ、入社してから戦力化するまでに時間がかかるためです。
新卒採用を成功させるためには、戦略的に採用活動に取り組むことが必要です。
本記事では、人手不足を新卒採用で解決するためのポイントを詳しく解説します。なるべくマンパワーをかけずに採用活動を成功させる方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。
人手不足の現状
人手不足は、地域や業界を問わずあらゆるところで起きています。上記のグラフは、日本・東京商工会議所が、全国の中小企業約6,000社を調査した結果です。
人手不足の状況と対策について尋ねたところ、2022年7〜8月期では64.9%の企業が「人手が不足している」と回答しました。1年前の同時期が49.9%だったのに対し、15ポイントの増加となりました。
参考:人手不足の状況および新卒採用・インターンシップの実施状況 に関する調査|日本・東京商工会議所
以下で、人手不足の原因と特に人手不足が深刻な業界について解説します。
人手不足の原因
人手不足の原因には次のようなものがあります。
- 少子高齢化によって労働力人口が減少している
- 求める知識や技術の専門性が高くなっている
- 働き方が多様化している
そもそも、少子高齢化の影響で働き手の数は減少しています。さらに、技術の進歩やサービスの多様化も急速に拡がっているため、専門的な知識やスキルを持つ人材がなかなか見つからないのも特徴です。
また、昔ながらの終身雇用制度も崩れつつあることも人手不足の一因です。自社で育てた人材が、転職したり独立したりすることも多く、定着しにくくなっています。
人手不足が深刻な業界
以下の業界では、特に人材不足が深刻化しています。
- IT業界
- 医療・福祉業
- 建設業
- 飲食業
- 運送業
IT業界や医療・福祉業界については、急速に需要が高まっている一方で、従事するためには高度な専門知識が必要になります。そのため、募集をかけても要件を満たす人材が集まりにくいというのが共通点です。
また、いずれの業界も長時間労働や低賃金の傾向があることも、人手不足の一因になっていると考えられます。
人手不足を新卒採用で解決するのは、簡単ではない
人手不足の企業にとって、新卒採用は何十人、何百人という人材を一括採用するチャンスです。しかし実際のところは、多くの企業が以下の理由で人材確保に失敗しています。
- 新卒採用は売り手市場
- 採用活動にも人手が必要
- 育成に時間がかかる
新卒採用は売り手市場
新卒採用は、採用したい企業に対して就職を希望する学生が少ない「売り手市場」の状態が続いています。リクルートの調査によれば、2023年卒では企業の求人が70.7万人あったのに対し、民間企業への就職希望者は44.9万人しかいなかったそうです。
特に有名大学や理系学部の学生を採用したいと考える企業は多いです。優秀な学生の場合、1人で10社近い企業の内定を獲得し、最終的に就職先を1社に絞るということもあります。
内定出しの段階では計画人数を達成していても、内定辞退が出ることも多いため、実際に入社するまで安心できない状況です。
採用活動にも人手が必要
新卒採用には、非常に多くのマンパワーが必要になります。例えばインターンシップや説明会の開催、面接、内定者フォローなど、やるべきことがたくさんあるためです。
また、最近は採用手法も多様化しています。従来の説明会や面接だけではなく、スカウトや採用動画、SNS運用などについても情報を収集し、取り組まなければなりません。人事担当者の多くは、中途採用や既存社員の評価業務なども兼任しているため、新卒採用に100%注力するのは難しい場合が多いです。
育成に時間がかかる
新卒採用に成功した場合でも、新入社員を戦力化するのには時間がかかります。中途採用のように、入社後すぐに独り立ちすることは難しく、研修やOJT期間が必要です。専門性の高い職種の場合、戦力化には年単位の時間がかかることもあります。
そのため、新卒採用によって人材不足を即時に解決するのは難しいのが実情です。
新卒採用を成功させる3つのポイント
人手不足を新卒採用で解決するためには、戦略的な採用活動をしなければなりません。新卒採用を成功させるポイントとして、次の3つが挙げられます。
- ターゲットに合った採用ツールを選ぶ
- 採用業務を効率化する
- 第二新卒の採用も検討する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ターゲットに合った採用ツールを選ぶ
新卒採用を成功させるためには、ターゲットに合った採用ツールを選ぶことが重要です。一言で採用ツールと言っても、最近は「理系学生向け」や「ハイクラス向け」、「体育会系向け」など、ターゲットを絞ったツールも増えています。
特化型のツールを使うことで、求める人材が見つかりやすくなり、ミスマッチを防ぐことにもつながります。
採用業務を効率化する
計画通りの人数を採用するためには、採用業務の効率化が欠かせません。
企業の採用担当者からはよく「やるべきことは分かっているが、忙しすぎて手が回らない」という声が聞かれます。例えば「本当はもっと個別のスカウトを送りたい」「採用ブログやSNSは毎日更新したい」などです。
大量のタスクを確実にこなそうと思ったら、努力や残業で乗り切るのには限界があります。業務フローを見直して、少ないリソースでも成果が上がる仕組みを作ることが大切です。採用管理システム(ATS)や採用代行は業務効率化の強い味方なので、ぜひ検討してみてください。
関連記事:自社に合った採用DXが成功への近道!導入方法や事例を解説
第二新卒の採用も検討する
人手不足を解消するためには、新卒とあわせて第二新卒や既卒の採用を検討することも有効です。ここ数年、新卒社員の3年以内の離職率は30%前後で推移しています。つまり、約3人に1人が3年以内に転職を経験するということです。
第二新卒の人材であれば、基本的なビジネススキルは身に付いているため、その分早い戦力化が期待できます。また、30代以上の中途採用に比べて人件費が抑えられるのもメリットです。
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人手不足のため、新卒採用で人材を確保したいと考える企業は増えています。しかし、新卒は売り手市場が続いており、採用活動にも人手が必要なため、人材確保に失敗する企業も多いです。採用計画通りの人員を確保するためには、自社に合った採用ツールを活用し、採用業務を効率化することが大切です。
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