採用活動に関する広報が解禁され、今年から初めて新卒の採用を担当するという方もいらっしゃると思います。
「面接では学生の何を見て評価すれば良いのか」
「自分に見極められるのだろうか」
と不安な方も多いのではないでしょうか。
限られた時間で学生の本質を見抜くためには、肩書きに惑わされずに長所・短所を探すこと、対話を通して本人の考えを深堀りすることなどが大切です。
本記事では新卒採用の面接の流れやポイント、注意点について詳しく解説します。面接官としてのノウハウが知りたい方は、ぜひご覧ください。
新卒採用における面接の目的
新卒採用の面接には、大きく分けて次の2つの目的があります。
- 学生のことを知る
- 自社のことを知ってもらう
面接の1つめの目的は、学生のことを知ることです。具体的には、学生の経歴や性格、志向性に関する質問をして、自社に合った人材かどうかを見極めます。
もう1つの目的は、自社のことを知ってもらうことです。事前に会社説明会を実施していても、内容をどの程度理解できているかは個々の学生によって違います。
そのため、面接の場で個別に会話を重ねながら、認識をすり合わせていくことが大切になります。ここがうまくいっていないと、魅力が十分伝わらずに内定辞退をされたり、ミスマッチによる早期退職につながったりします。
面接の流れ
ここからは、一般的な面接の流れを解説します。面接の所要時間は形式や選考段階にもよりますが、個別の一次面接であれば最短で15分程度、平均すると30分程度が目安です。
- 挨拶・アイスブレイク
- 自己紹介
- 学生時代の経験や実績に関する質問
- 志望動機や将来のビジョンに関する質問
- 質疑応答・事務連絡
パートごとに詳しく見ていきましょう。
挨拶・アイスブレイク
はじめに面接官から「こんにちは。本日面接を担当する〇〇です、よろしくお願いします。」と挨拶しましょう。面接官にとっては何十人も会う学生のうちの1人かもしれませんが、学生にとってはここでの印象も入社を決める大事な要素になります。
最初は学生も緊張しているはずなので、アイスブレイク(本題に入る前に緊張をほぐす手法)として、簡単な会話をします。例えば「今日は暑いですね」「会社の場所、すぐに分かりましたか?」などです。
自己紹介
次に、学生に自己紹介をしてもらいます。人によっては長々と話してしまう場合もあるため、「1分ぐらいで簡単に自己紹介をお願いします」のように、目安の時間を提示するとスムーズです。
学生時代の経験や実績に関する質問
履歴書や応募書類をもとに、学生時代の経験や実績について確認していきます。「全国大会で〇位」や「部長をしていた」などの華やかな経歴があると質問もしやすいですが、多くの学生は平凡な学生生活を送っているものです。
そんな中でもなるべく本人の特徴を引き出すためには、「アルバイトをしたことはありますか?」「部活やサークル活動で印象に残っていることはありますか?」のように、本人がエピソードを語りやすい質問がおすすめです。
志望動機や将来のビジョンに関する質問
志望動機や将来のビジョンを質問する際は、自社の働き方と矛盾しないかどうかの確認が大切です。
例えば、役職がつくのに最低でも5年はかかるような企業に「早く出世して部下をまとめながらバリバリ成果をあげたい」という学生が入社すると、ミスマッチを起こす可能性が高いです。その学生が自社に入社した姿を想像しながら、活躍できそうかどうかを見極めましょう。
質疑応答・事務連絡
最後に「何か質問したいことはありますか」と聞き、質疑応答をします。ここで学生が質問することは、働く上で重視していることの可能性があります。
例えば「実際のところ転勤はどれくらいありますか」という質問は、「転勤は無理」という気持ちのあらわれかもしれないため、お互いに正直な話をしておく必要があります。
面接の締めくくりでは「結果は〇日までにメールでお知らせします」のように、期日と連絡手段を伝えておきましょう。帰り際の雑談のような感じで他社の選考状況を聞いてみると、興味のある業界や自社の志望度を知る手掛かりになります。
新卒採用の面接のポイント3選
新卒採用の面接のポイントは次の3つです。
- 学生の長所と短所を両方見つける
- 「なぜ」「どうして」を繰り返して深掘りする
- なるべく「普通」という評価を避けて差をつける
慣れるまでは学生の本質を見抜くのが難しいかもしれませんが、この3点を意識すると客観的な評価がしやすくなります。
学生の長所と短所を両方見つける
優秀な学生も、明らかに不採用の学生も、必ず長所と短所の両方を見つけることが大切です。
特に、有名大学の学生やスポーツで優秀な成績を残している学生は、先入観で「いい学生だ」と思ってしまいがちです。学力やスポーツの面では優れていても、自社にマッチするかどうかは別の問題であることを忘れないようにしましょう。
「なぜ」「どうして」を繰り返して深堀りする
面接中は、学生の話を「なぜ」「どうして」と考えながら聞くことが大切です。
例えば「〇〇に将来性を感じたので御社を志望しました」と言われた場合、「〇〇なら(ライバル企業)も作っているけど、どうして弊社なんですか?」と聞くと、学生の本音を引き出しやすくなります。
ただし、「なぜ?」「なぜ?」とあまり端的に繰り返すと、学生が圧迫面接のように感じてしまう可能性があります。言い回しや雰囲気には注意しながら、面接官自身が納得できるところまで聞くようにしましょう。
なるべく「普通」という評価は避けて差をつける
面接評価をする際は、なるべく「普通」や5段階の「3」を使わずに、差をつけるようにしましょう。
評価の際に起こりやすいエラーの1つに、「中心化傾向」というものがあります。これは、面接官の心理として「評価を間違えたくない」「悪く思われたくない」という気持ちが働き、無難な「普通」を多くつけてしまう現象です。
判断できないからといってみんなが「普通」寄りになると、適切な人選ができなくなってしまいます。そのため、なるべく「普通」を使わないように意識しましょう。
新卒採用の面接の注意点
ここでは、新卒採用の面接をする際の注意点を解説します。
- 面接官も評価されている
- 面接で聞いてはいけない質問を把握しておく
どちらも重要なので、しっかり頭に入れておきましょう。
面接官も評価されている
面接では、学生も面接官を通して企業のことを評価しているため、言葉遣いや態度には注意が必要です。特に不採用の学生であっても、時間を割いて選考を受けてくれたことへの感謝は忘れないようにしましょう。
また、自社に関するネガティブな発言も要注意です。自虐や冗談まじりでも、「うちは給料安いので」のような発言をすると、学生は不安を感じてしまいます。事実としてマイナスな点を伝える場合にも、言葉は慎重に選びましょう。
面接で聞いてはいけない質問を把握しておく
職業安定法では、仕事に必要な能力や適性以外の部分で合否を決めることは禁止されています。以下のような質問は就職差別につながる可能性があるため、面接で聞いてはいけないことになっています。
- 家族構成や親の職業
- 政治・宗教
- 結婚・出産に関する意向など
「ご兄弟はいますか」「結婚・出産しても働きたいですか」など、つい話の流れで聞いてしまいそうですが、仕事の能力や適性には関係のないことです。聞かないように注意してください。
参考:就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例|大阪労働局 (mhlw.go.jp)
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新卒採用の面接は、限られた時間でいかに学生の本質を見抜けるかがポイントになります。学生の長所と短所の両方を見つけながら、なるべく「普通」という評価を使わずに差をつけて選考することが大切です。
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