3年3割問題とは | 放置するリスクと原因の対処法まで徹底解説

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3年3割問題とは | 放置するリスクと原因の対処法まで徹底解説

「3年3割問題ってなに?」「3年以内の早期退職を予防する方法ってある?」

そのように考えている採用担当者は多くいます。この記事では「3年3割問題」について解説します。

3年以内に3割が離職するのは、企業と学生がミスマッチを起こしていることが原因です。

新入社員の早期離職が多い企業が知っておきたい「3年3割問題が起こる原因」や「対処方法」も紹介しているので、ぜひ採用に役立ててください。

3年3割問題とは新入社員が離職する割合のこと

3年3割問題は、現実として多くの企業が直面している問題です。まずは以下の点から実状を認識しておきましょう。

  • 3年で3割が辞めるのは本当
  • 事業規模が大きくなるほど離職しにくい
  • サービス業の離職率が高い傾向にある

3年で3割が辞めるのは本当

厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によると、以下の数値となっています。

  • 新規高卒就職者:35.9%
  • 新規大卒就職者:31.5%

高卒・大卒ともにどちらも3割の数値です。より細かく分けたものが以下となります。

学歴3年以内の離職率前年比
中卒52.9%▲4.9%
高卒37.0%+1.1%
短大等42.6%+0.7%
大卒32.3%+0.8%

中学を卒業してすぐ就職した層を除外すれば、ほとんどが3割に収まっているのがわかります。どの学歴でも3割程度の離職があるものだと認識しましょう。

事業規模が大きくなるほど離職しにくい

厚生労働省の公表では、事業規模によっても以下の違いが見られます。

事業所規模大卒
5人未満54.1%
5~29人49.9%
30~99人40.6%
100~499人32.9%
500~999人30.7%
1,000人以上26.1%


5人未満が半数以上の退職があるのに比べ、1,000人以上は4人に1人と少ない状態です。離職率に関しては過去15年以上横ばいであるため、昨今の若者が特に辞めやすいわけでもありません。

むしろ安定志向で辞めない傾向が強いと読み取れます。

サービス業の離職率が高い傾向にある

業種別でも離職率の違いがあります。厚生労働省の公表から、以下の数値を見てみましょう。

産業名高卒
宿泊業、飲食サービス業62.6%
生活関連サービス業、娯楽業57.0%
小売業48.3%
教育、学習支援業48.0%
医療、福祉46.4%
産業名大卒
宿泊業、飲食サービス業54.4%
生活関連サービス業、娯楽業48.8%
教育、学習支援業46.0%
医療、福祉38.8%
小売業38.5%


順位に差はありますが、高卒・大卒ともに離職率の高い産業は同じです。休日・祝日対応や望まぬ残業など、長期労働に繋がりやすい仕事が多くなっています。

一方で、電気やガスといったインフラに関する産業の離職率は低い傾向にあります。

3年3割問題を放置するリスク

3年3割問題は、15年以上続いている問題です。放置しても良いように感じますが、以下のリスクが伴います。

  • 採用・育成コストの増大
  • 採用負荷の増加
  • 中長期的な事業計画への支障

採用・育成コストの増大

3年3割問題を放置すると、採用・育成の面で膨大なコストがかかります。新卒採用は、決して安価なコストではありません。エージェントサービスの利用や説明会の会場確保など、様々な部分でコストがかかっています。

そのため、入社してから3年以内に離職されると、かけたコストが無意味になります。

育成面でのコストも同じです。新入社員だからこそ、新入社員研修のコストは必ず発生します。

採用・育成の両方の面で3年3割問題を放置するリスクは大きいのです。

採用負荷の増加

3年以内に早期退職されると、採用担当者は穴埋めとして新しい人材を採用する必要があります。

本来ならば必要のない採用活動となるため、担当者にとっては負荷がかかります。新卒採用と並行して行うとなると、採用担当者が少ない企業では、より負荷が大きくなるでしょう。

中長期的な事業計画への支障

新卒採用は、事業計画に合わせて欲しい人材を採用します。3年以内に離職されると、中長期的な事業計画として組み込んでいた人材が不足し、支障をきたす可能性があります。例えば以下のケースです。

  • 新しいビジネスを展開する
  • 売上拡大や店舗出店を計画している

こうした計画も予定していた人材が離職してしまうと、計画通りに進められなくなります。結果、事業計画が未達成になる可能性も。

3年3割問題は、企業の事業計画にとっても大きなリスクとなる問題です。

3年3割問題が起こる原因

3年3割問題が起こる原因は、以下の5つが代表格です。

  • 仕事内容に納得できない
  • 人間関係が合わない
  • 待遇が良くない
  • 相談先がない
  • キャリアアップを想像できない

仕事内容に納得できない

新卒社員は仕事内容に納得できない場合、離職を選択するケースが多々あります。以下のように、期待と現実の業務の差が大きいほど起こりやすいでしょう。

  • 期待していた仕事をできない
  • 自分の性格と合わない

企業分析や面接ではわからなかった部分と直面し、離職を判断するのです。

この場合、インターンシップに参加していれば回避できます。長期インターンシップならば、より企業への解像度も深まるため実施してみましょう。

人間関係が合わない

いつの時代も人間関係は悩みの種です。先輩や上司と人間関係が合わず、退職を選択するケースも多くあります。新卒・中途のどちらも抱える悩みです。

人間関係は、仕事内容と違い、実際に入社するまでわかりません。特に新入社員は、社会人としての経験が浅い状態です。人間関係を上手く構築できなかったり、馬の合わない人間がいたりすると、大きなストレスを感じてしまいます。

相談窓口を作るなどフォロー体制は必須です。

待遇が良くない

待遇も3年3割問題の原因の1つです。主に以下が該当します。

  • 給与
  • 労働条件
  • 休日
  • 休暇

雇用計画を結ぶ際に確認しますが、良く確認をせずにサインをする新卒学生は多くいます。特に給与面は、額面と手取りの違いを知らない可能性があるため注意が必要です。

人事担当は、企業の代表として労働契約を締結します。お互いの認識に齟齬がないようにしましょう。

相談先がない

社内に相談先がない場合も、退職に繋がりやすい原因です。他にも以下が該当します。

  • 同期がいない
  • 先輩・上司が忙しくて話しかけられない

このような場合、気軽に悩みを相談できません。結果、ストレスによって離職へと至ってしまいます。

そのため、気軽に相談できる窓口を作ることをおすすめします。相談しやすいかどうかは個人の資質が大きいため、相談しやすい人材をピックアップすると良いでしょう。

キャリアアップを想像できない

自身のキャリアアップを想像できず、離職するケースもあります。例えば以下のような形です。

  • もっとスケールの大きい仕事をしたい
  • 手に職をつけたい
  • スキルをどんどん身につけたい

自分自身のために新しい職場を探したいと思った際に、離職を考え始めます。企業は、従業員が未来の姿を想像できるキャリアアップを提示できるかどうかがポイントです。

面談や選考の際に、どのようなビジョンを描いているのかをヒアリングしておきましょう。

3年3割問題に対処するポイント

企業が3年3割問題に対処する場合、意識したいポイントがあります。特に以下の4つは大切です。

  • コミュニケーションを活性化する
  • ミスマッチを採用段階でなくす
  • 達成感ややりがいのある環境を構築する
  • 叱るより褒めるを意識する

コミュニケーションを活性化する

3年3割問題は、新入社員と先輩、上司との間で活発なコミュニケーションを取れるかが大切です。まずは社内で気軽に相談できる環境を構築します。

方法は難しくありません。新入社員の声かけを積極的に行うだけです。それだけで、疎外感や孤独感を解消できます。

自社の施設を利用して、スポーツなど仕事以外の交流を実施する方法もおすすめです。

ミスマッチを採用段階でなくす

ミスマッチを無くすことも、3年3割問題の対処として有効です。お互いの認識を共有しておけば、待遇などの面でミスマッチが少なくなります。その際、以下の方法を活用しましょう。

  • カジュアル面談
  • 労働条件の詳しい説明
  • 労働条件に関する質問や疑問を確認する場面を作る
  • ダイレクトリクルーティングなど1対1で行う採用方法
  • インターンシップ

これらは企業と学生で起こるミスマッチを防ぐ効果があります。特にダイレクトリクルーティングは、カジュアル面談やインターンシップへの導線としても活用できます。

達成感ややりがいのある環境を構築する

仕事に対しての充実度も大切です。達成感ややりがいを感じられるように意識しましょう。中でも意識したいポイントが、小さな成功体験です。以下をさりげなく伝えてみてください。

  • 日々の業務でできていること
  • お礼

本人が「頑張って良かった」と感じれば、達成感を得られます。チャンレンジする場所を提供できれば、達成感を基にやりがいを持って挑戦してくれるでしょう。

叱るより褒めるを意識する

新入社員は、できなくて当たり前です。目標をクリアできずに苦戦してしまう可能性があります。

育成する際は「叱るより褒める」を意識してください。結果だけを見て叱るのではなく、プロセスを理解し、できていることを褒めると良いでしょう。

努力を評価し、できていない部分の問題を指摘し解説すれば、仕事への理解度が深まっていきます。

叱られて嫌な人は多くいますが、褒められて嫌な人はまずいません。気持ちよく働ける環境を作っていきましょう。

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3年3割問題とは、新入社員の3割が3年以内に離職する現象です。若者の安定志向が根底にあります。放置すると、採用・育成コストの増大や事業計画に支障が出るなど、リスクが生じます。企業とのミスマッチや環境によるものが多いため、自社の取り組みによって改善しましょう。

3年3割問題を解消できる採用方法を探しているのなら、理系採用に特化したダイレクトリクルーティングの『TECH OFFER』がおすすめです。自社が欲しい人材と直接やり取りできるため、3年3割問題の要因を解消しやすい採用方法となっています。ぜひ1度お気軽にご相談ください。『TECH OFFER』に関する資料は以下よりダウンロードできます。

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