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近年、新卒の獲得競争が激化する中で、インターンシップの重要度が増しています。特に25卒からは採用直結型のインターンシップも解禁され、インターンシップの設計に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんなときに参考にしたいのが、人気インターンシップを実施している企業の事例です。毎年多くの学生が応募する企業のインターンシップを詳しく見てみると、いくつか共通点があることが分かりました。
本記事では、インターンシップが人気の企業5選とこれらの共通点、実施する際のポイントについて詳しく解説します。「多くの学生に自社の魅力を知ってもらいたい!」とお考えの方は、ぜひご覧ください。
インターンシップが人気の企業5選
まずは人気のインターンシップについて、形式や特徴を詳しく見てみましょう。
- 株式会社サイバーエージェント
- 株式会社ファーストリテイリング
- ソニーグループ株式会社
- キリンホールディングス株式会社
- 株式会社アイシン
株式会社サイバーエージェント
業種:メディア・インターネット広告・ゲーム
公式サイト:インターンシップ | 株式会社サイバーエージェント (cyberagent.co.jp)
サイバーエージェントは、ABEMAやアメブロ、Cygamesなどで有名な企業です。インターンシップは大きく3つのコースに分かれており、「ビジネスコース」「エンジニアコース」「クリエイターコース」があります。
例えば26卒向けビジネスコースでは、「超早期内定直結型 AI DX・マーケティング実践インターンシップ」というイベントが開催されました。文字通り、AIやDXなど最先端の技術を使って、デジタルマーケティングの実践を学ぶという内容です。
株式会社ファーストリテイリング
業種:アパレル
公式サイト:GLOBAL FELLOWSHIP | GLOBAL FELLOWSHIP | FRグループ 新卒採用 (fastretailing.com)
ファーストリテイリングは、ユニクロやGUを運営する企業です。年齢や性別を問わないカジュアルウェアで、今や世界中で知られる企業となりました。
同社のインターンシップは、グローバルキャリアにも力を入れているのが特徴です。渡航費や滞在費は企業負担で、ニューヨークで7日間学べる「GLOBAL STUDY PROGRAM」や、2日間でグローバル企業としての思考や戦略に触れられる「Thinker’s Tour」などが開催されています。
ソニーグループ株式会社
業種:エンタテイメントテクノロジー・半導体・金融
公式サイト:ソニーグループポータル | インターンシップ (sony.com)
ソニーは音楽やゲームといったエンタテイメントから、半導体や金融まで、幅広い事業を手掛ける企業です。
ソニーのインターンシップは、職場体験を重視しているのが特徴です。例えば「職場密着インターン」では、2週間職場に入り込んで社員と同じように本気で業務に取り組み、フィードバックをもらえる内容になっています。
他に、1〜3日程度の短期間で開催されるイベントもありますが、いずれも技術の体感や社員との対話を重視したプログラムになっています。
キリンホールディングス株式会社
業種:酒類や清涼飲料の製造・販売
公式サイト:KIRIN_INTERNSHIP/EVENT (i-note.jp)
キリンホールディングスは、ビールやジュースなどの製造・販売で有名な企業です。
同社の採用は大きく分けると「事務系コース」と「技術系コース」に分かれており、インターンシップも職種ごとに「マーケティングコース」や「エンジニアリングコース」などがあります。また、エリア限定職として障害者採用のインターンシップを開催していることも、特徴的です。
いずれも、ワークショップや社員との交流を通して、仕事内容や現場の雰囲気が体感できる仕組みになっています。
株式会社アイシン
業種:自動車部品の開発・製造
公式サイト:新卒採用 | 株式会社アイシン 採用サイト (aisin.com)
アイシンは、自動車部品サプライヤーとして世界ランキングトップ10に入るグローバル企業です。新卒採用では、設計開発や生産技術、品質保証など技術職の人材確保にも力を入れています。
技術系を対象としたインターンシップでは、「電動化開発」「カーボンニュートラル」「移動サービス&モビリティ」「自動運転技術」という4つのカテゴリーと350以上のテーマを扱っているのが特徴です。専門性の高いプログラムで、最新の知識や技術に触れられる内容となっています。
人気インターンシップの共通点
人気インターンシップを詳しく見てみると、次のような共通点があることが分かりました。
- 実務が体験できる
- 最新の知識や技術に触れられる
- 参加前と参加後で企業イメージが変わる
実務が体験できる
1つめの共通点は、実務が体験できるという点です。
志望するのが接客業やサービス業であれば、日常生活で消費者として働く人の姿を目にしたり、アルバイトで経験したりする機会があります。しかし、理系の専門職となると、なかなかそのようなチャンスがありません。
そのため、学生はインターンシップを通して、一般の人がなかなか見られない仕事現場を見たり、実際に体験したりすることを楽しみにしているのです。実務を体験してフィードバックを受けることは、仕事に対する理解度や志望度を高める効果もあります。これは、人材を募集する企業にとっても重要なことだと言えます。
最新の知識や技術に触れられる
2つめの共通点は、最新の知識や技術に触れられるという点です。
例えば「AI」や「カーボンニュートラル」のような最新技術は、言葉は知っていても、実際の社会でどう活用されているのかが分かりにくい面があります。人気のあるインターンシップでは、こうした最新技術がどのように研究・開発され、私たちの暮らしに結びつくのかを学べるものが多いのが特徴です。
学生の中には、就活が始まっても「自分のやりたいことが分からない」という人も少なくありません。最新技術に触れることで、大学で学んだ理論と実践のギャップが埋まり、やりたいことが見えてくる効果があります。
参加前と参加後で企業イメージが変わる
3つめの共通点は、参加前と参加後で企業イメージが変わるという点です。
例えば「IT業界のエンジニア」と聞くと、黙々とパソコンに向かって作業をしている姿をイメージしがちです。しかし、実際はクライアントと打ち合わせをしたり、チームで仕事を進めたりする場面も多く、ギャップに驚く学生もいます。
また、「大企業は上下関係が厳しそうだと思っていたけど、実際はフラットで風通しが良さそうだった」という声もよく聞かれます。
このように、職場の雰囲気や働き方を肌で感じることで、企業イメージが変わるインターンシップは、人気が高い傾向です。
インターンシップの種類
インターンシップの制度は25卒から新しくなり、正式には「キャリア形成支援活動」と呼ばれることになりました。実施の目的によって、次の4つのタイプに分類されています。
タイプ1 | タイプ2 | タイプ3 | タイプ4 | |
名称 | オープン・カンパニー | キャリア教育 | 汎用的能力・専門活用型インターンシップ | 高度専門型インターンシップ |
目的 | 個社や業界に関する情報提供・PR | 働くことへの理解を深めるための教育 | 就業体験を通じて、学生にとっては自らの能力の見極め、企業にとっては学生の評価材料の取得 | 就業体験を通じて、学生にとっては実践力の向上、企業にとっては学生の評価材料の取得 |
就業体験 | なし | 任意 | 必須 | 必須 |
所要日数 | 単日 | プログラムによる | 汎用的能力活用型:5日以上専門活用型:2週間以上 | ジョブ型:2ヶ月以上修士課程学生向け:検討中 |
選考直結 | × | × | 〇 | 〇 |
上記のうち、採用直結型での実施が認められるのは「タイプ3」と「タイプ4」のみとなっているため、注意しましょう。
インターンシップの動向
ここでは、インターンシップの動向についてリクナビの調査結果を元に解説します。
- インターンシップの参加率
- インターンシップに参加した時期
- 採用直結型のインターンシップ
インターンシップの参加率
リクルートが25卒の大学生・大学院生972名に調査したところ、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに応募した人は86.0%、参加した人は84.7%という結果になりました。また、応募した企業の数は平均で12.40社、参加した企業の数は平均で8.72社でした。
8割以上の人が何らかのキャリア形成支援プログラムに参加していることから、いまやインターンシップの参加は就活の常識になりつつあります。
インターンシップに参加した時期
同調査では、インターンシップに参加した時期についても尋ねています。これによれば、初めて応募したのは3年生の6月、初めて参加したのは8月と答えた人が最多となりました。
参加時期のピークについては、3年生の8〜9月頃となっています。ただ、7月〜翌1月の参加者もそれぞれ3割を超えていることから、多くの人が夏休みに限らず参加しているようです。
採用直結型のインターンシップ
リクルートが25卒の新卒採用を実施する企業1,488社に調査を行ったところ、採用方法として「採用直結と明示したインターンシップ等からの採用」を挙げた企業は、19.6%にのぼりました。これは、前年と比べて6.7ポイントの増加です。
また、企業の規模別に詳しく見てみると、従業員5,000人以上の大企業では27.4%がインターンシップ等からの採用を予定していると回答しました。300人未満の企業は16.7%であることから、大企業ほどインターンシップでの採用に積極的であることが分かります。
インターンシップを実施する際の4つのポイント
ここからは、インターンシップを実施するための4つのポイントについて解説します。
- 夏と秋冬のインターンシップを使い分ける
- 実際の仕事を体験してもらう
- 現場社員と交流してもらう
- フィードバックを充実させる
夏と秋冬のインターンシップを使い分ける
インターンシップを実施する際は、夏と秋冬を使い分けると効果的です。理由は、時期によってインターンシップに参加する学生のニーズが変わってくるためです。
一般的に、夏インターンシップでは「業界・企業について広く知りたい」、秋冬インターンシップは「本選考の練習をしたい」「採用直結型で内定を獲得したい」というニーズがあります。そのため、ニーズに応じたプログラムを組むことで、より多くの学生を集めたり、自社への志望度を高めたりしやすくなるのです。
複数のプログラムを作成するのは手間もかかりますが、時期に合ったインターンシップを企画しましょう。
実際の仕事を体験してもらう
インターンシップでは、実際の仕事を体験してもらうことも大切です。
体験する業務には、適度な難易度があって、責任感も感じられるものを用意しましょう。あまりに簡単な業務では、仕事の面白さややりがいを感じられません。少しだけ難しい業務に取り組むことで、学生と企業がお互いに、業務への興味や適性があるかどうかを判断しやすくなります。
また、当日は人事や担当社員が1人で教えるのではなく、なるべく社員同士のコミュニケーションが見えるようにすると効果的です。組織の中で仕事がどのように進んでいくのか、具体的にどのようなやりとりをするのかが見えると、仕事への理解が深まります。
現場社員と交流してもらう
現場社員と交流する機会を設けることも、有意義なインターンシップにするためのポイントです。学生は、業界や企業を理解するために、経営者や人事以外の人の様子も知りたいと考えています。
ただ、インターンシップをオンライン形式で実施する場合は、会社の雰囲気や社員の人柄が分かりにくくなるため、意識的に伝える工夫が必要になります。例えば、あらかじめ職場の日常風景を動画で撮影しておいたり、リアルタイムで中継したりするのもおすすめです。
協力してもらう現場社員には、事前にインターンシップの趣旨や注意事項を共有しておくことも忘れないようにしましょう。
フィードバックを充実させる
インターンシップを実施する際は、フィードバックを充実させることも大切です。
学生は、インターンシップを通して自分の適性や社会での評価を知りたいと考えています。そのため、現場で活躍する社会人から「あなたには〇〇が向いていると思う」「〇〇な性格はこの仕事で役立つ」といった評価をもらうと自信につながり、仕事選びにも良い影響を及ぼします。
もちろん、フィードバックは本人の長所だけでなく、改善点や就活そのものに関するアドバイスでも構いません。改善点を伝えるときは「こうすればもっと良くなる」という前向きな伝え方をすることがポイントです。
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人気のインターンシップには「実務が体験できる」「最新技術に触れられる」「企業イメージが変わる」といった共通点があることが分かりました。これからインターンシップを企画する方は、ぜひ人気企業のプログラムも参考にしてください。
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