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中小企業が抱える問題の1つに、採用に苦戦するというものがあります。
せっかく求人を出したのに応募者が集まらず母集団形成が思うように進まなかったり、いざ内定承諾まで進んだのに応募者に辞退されたりといったことは、多くの中小企業が経験していることでしょう。
今回はなぜ中小企業が採用に苦戦するのかに焦点をあて、その理由と対策についてわかりやすく解説します。
中小企業を取り巻く採用状況
多くの中小企業が、新卒採用で苦戦しているのは想像に難くありません。
中小企業がどのような点で苦戦しているのか、学生がどのような視点で企業を選んでいるかを解説します。新卒採用市場において、中小企業を取り巻く環境のトピックは以下のとおりです。
- 大企業に人気が集中している
- 採用市場は学生優位
- 学生が企業を決める理由は規模感だけではない
大企業に人気が集中している
中小企業の採用状況は、ここ数年で少しずつ改善されつつあります。
特に2021年10月に発足した岸田政権が中小企業への徹底支援を重点戦略に掲げたことからも、大企業以外に目を向けられつつあるのがわかります。
一方で大学生を中心にした求人倍率調査では、依然として大企業に人気が集中しているのが現状です。
- 従業員5,000人以上:0.41倍
- 従業員1,000~4,999人:0.89倍
- 従業員30~999人:0.98倍
- 従業員300人以下:5.28倍
参照元:大学求人倍率調査(2022年卒)
以上の数値からも、従業員300人以下の中小企業は応募者1人に対して5社以上で取り合っています。
しかしながら、この傾向は徐々に改善されつつあり、2019年が9.91倍だったことを考えると、新卒者が徐々に中小企業へ意識を向けているのも事実です。
採用市場は学生優位
2018年に一般社団法人である経済団体連合会が発表した資料によると、以下のデータが確認できます。
- 約6割の企業が内々定を保持した学生が面接に来ると回答
- 約4割の企業が内々定を辞退する学生が増加したと回答
内々定を保持した学生が多く、内々定を辞退する余裕のある学生の増加が意味するところは1つしかありません。
新卒採用市場は学生優位の状態です。
前項でも解説したとおり、学生の本命は大企業である確率が高いといわざるを得ません。
内定の出やすい昨今では、中小企業が“滑り止め”に使われている可能性もゼロではないのです。
学生が企業を決める理由は規模感だけではない
学生の多くが大企業を希望し、学生優位の状態では中小企業の採用に未来はないのかと、つい考えてしまう方も多いでしょう。
確かに就活を始めた直後の学生は大企業を希望しているかもしれませんが、学生は企業規模だけで会社を選んでいません。
2018年に株式会社ディスコが発表したデータによると、内定を承諾した理由に選考過程で出会う人や雰囲気を決め手にした学生も多くいます。つまり中小企業であっても、選考過程で丁寧なアプローチをおこなえば、新卒採用がしっかりとおこなえる可能性は十分にあります。
知名度が劣る中小企業が母集団の形成や採用に成功した事例
一般的に中小企業が、新卒採用で苦戦する理由の1つに知名度があげられます。
知名度の低さは学生が敬遠する要素になりがちなので、選考はもとより応募も少なくなるケースは少なくありません。
一方で知名度の低さをものともせず、新卒採用において母集団の形成や採用に成功した中小企業があります。
今回は母集団の形成や採用に成功した以下3社の事例を紹介します。
- 株式会社テンダ
- 株式会社柊ソフト
- フジクリーン工業株式会社
採用ツールの活用で母集団の形成に成功【株式会社テンダ】
株式会社テンダはITソリューションをワンストップで提供して、多くの企業の課題解決をおこなっている企業になります。
同社ではイベントで学生が集客できなかったり、学生へ上手にアプローチができなかったりと新卒採用で苦戦していました。
苦戦する新卒採用の状況を打開すべく様々な方法を模索した結果、ダイレクトリクルーティングを知り、導入を決定。採用リソースが少ない状況の中で、自動で学生にアプローチしてくれる点にも魅力を感じて、導入を決めました。
採用ツールを活用した結果、同社ではこれまで出会えなかった学生で母集団の形成に成功しました。採用ツールを活用していなかったら、まず出会えていない人材なので、最初のステップとして採用ツールの成果を感じています。
参考:希望人材の採用に成功~テンダについて知らなかった学生との出会い~
攻めの採用で新卒採用に成功【株式会社柊ソフト】
株式会社柊ソフトはハードウェアやソフトウェアの設計・構築などを手掛ける企業です。
同社では採用予定人数が確保できず、また採用のミスマッチが発生するなど新卒採用で苦戦をしていました。
待ちの採用のままでは苦戦している現状を打破できないと考え、同社は別の方法を検討していました。応募者数の減少も相まって、攻めの採用にスタイルを変更。
攻めの採用スタイルに変更後は、新卒採用で内定を出すまでにいたっています。採用を決定した学生も希望する理系人材など、大きな結果がでています。
参考:今までアプローチすることが出来なかった優秀な理系学生の採用に繋がり、効果を実感
オファー型サービスで地方学生の内々定を実現【フジクリーン工業株式会社】
フジクリーン工業株式会社は浄化槽メーカーのトップランナーとして、国内はもとより海外にも進出している企業です。
同社では高い技術力を有しながらも、知名度の低さから地元の学生以外に人材が集まらないなど苦戦をしていました。
現状の課題をなるべく少ない労力での解決を模索した結果、オファー型サービスを知り、導入を決定しました。量より質を重視する同社の採用方針に、マッチしている点も導入を決めた要因です。
オファー型サービスの導入後は、地方の優秀な学生に内々定をだすことに成功しています。研究熱心な学生など、今までの学生層とは違う層の学生に出会えている点を大きな収穫となっています。
参考:アプローチすることが難しかった地方の優秀な理系の学生に内々定を出すことができ、効果を実感
中小企業が新卒採用で苦戦しないためのポイント
中小企業が採用において苦戦しないポイントはどんなものがあるのでしょうか。
採用を行う際は、まず以下の点を意識することをオススメします。
- ターゲットを明確化する
- 求人原稿やスカウト文面を魅力的に書く
- 早めに採用活動を始める
それぞれどういったことか詳しく解説します。
ターゲットを明確にする
採用する人材(ターゲット)を明確にすることが大切です。
何となく優秀な人材などとしていると、どんな人材を欲しいのかが全く伝わりませんし、いざ応募が来てもミスマッチが多くなる可能性もあります。
そのため、どんな人材が欲しいのかを必ず明確化しておきましょう。
- 絶対に欲しいスキルや経験
- 持っていると嬉しい資格
今の自社にとって本当に必要な条件は何なのかを明確にすることで、ターゲットとなる人材を雇用しやすい環境を作ることが大切です。
自社の強みや弱点を洗い出す
中小企業にとって、知名度は中々解決しにくい問題です。一方で他社に負けないような強みがあれば、知名度が低くとも、企業としてとても魅力的にみえるでしょう。
例えば、下町にあるような名もなき工場があるとします。
普通であれば、多くの学生は見向きもしないでしょう。しかし、名もなき工場が作っている製品が世界でオンリーワン、NASAのミサイルに使われているとしたら、どうでしょうか。知名度が低くとも、途端に魅力的な企業に思えるはずです。
知名度が低くとも、企業に大きな強みがあれば、採用の可能性はグッとあがります。採用時にアピール力を上げるため、自社の強みと弱みは洗い出しておきましょう。
採用手段を変える
採用で苦戦しているのであれば、採用手段を変えるのも1つの解決策です。
採用手段を変えるだけで、スパッと結果が出るようになるケースも少なくありません。自社の環境や採用したい学生像によって、採用手段にも向き不向きがあるからです。
例えば、特定の条件に合致する学生のみを採用したいとしましょう。
条件に合致する学生のみを採用したい場合には、採用ナビサイトは手段として相応しくありません。採用ナビサイトは集客性が高い一方で、様々な学生が集まっているのもまた事実です。
企業側にとっては玉石混交の状況なので、採用の効率性が下がります。特定の条件に合致する学生のみを採用したいのであれば、ダイレクトリクルーティングがおすすめです。ダイレクトリクルーティングについては、下記記事でも詳しく解説しています。こちらの記事も合わせてご覧ください。
【新卒採用ダイレクトリクルーティング活用術】成功事例からポイントを解説
中小企業が新卒採用を苦戦しないための方法
中小企業は採用で苦戦するしかないのでしょうか?
採用で苦戦しないための対策はあります。特に以下の対策が有効です。
- 知名度を向上させる
- 自社ならではの魅力ややりがいをアピールする
- 高卒採用に視野を広げる
それぞれどういった対策なのか詳しく解説します。
個別対応をおこなう
中小企業でも優秀な学生を採用することは、決して不可能ではありません。ただし、アプローチの方法をより丁寧にする必要があります。全体に話しかけるようなスタイルではなく、学生一人ひとりへの個別対応が理想的です。
個別対応では学生がこれからやりたいことやキャリアプランを聞き出すと同時に、自社のアピールや自社で実現できることを伝えましょう。学生にとって魅力的な企業と伝えられれば、採用のチャンスはグッと上がります。
ダイレクトリクルーティングを用いる
自社にマッチした人材でなければ、個別対応をおこなう意味がほとんどありません。あくまで本当に自社が採用したい人材を口説くのには、個別対応は効果的です。
企業が本当に採用したい人材と出会うツールとして、うってつけなのがダイレクトリクルーティングです。ダイレクトリクルーティングは膨大なデータの中から、企業が指定した条件に従って、学生をピックアップします。
企業側は条件を指定するだけで、自社が求める人材と出会えるため、効率性も期待できます。自社にマッチした人材に中々出会えていない場合には、ダイレクトリクルーティングがよいでしょう。
SNSやオウンドメディアの充実
中小企業が採用面で苦戦する要因に、知名度の低さがあげられます。仮に知名度が高くなれば、採用面において今より優位に働く可能性は十分あります。
一方で知名度の向上は、一朝一夕では劇的に改善されることはないと同時に、確実に手を打たなければ、向上しないものです。
知名度の向上策の一環として、SNSやオウンドメディアの充実をおすすめしています。
学生の利用率も高く、拡散力の高いSNSを用いれば、多くの学生に自社を知ってもらうことが可能です。またターゲットなるキーワードに対して、SEOをおこなえば、学生が自社のオウンドメディアに流入する確率もあがります。
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中小企業が新卒採用を目指すのであれば、丁寧なアプローチで自身より必要としてくれる会社として、学生に認識される必要があります。
学生により認識されるためには、企業からのアプローチも有効な方法です。就活をする学生にとって、企業からのアプローチは記憶に残りやすいため、有効です。
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