人材大手のエン・ジャパンが、25卒を対象とした「文系と理系の就活」の比較調査結果を発表しました。
この調査で、文系と理系ではエントリー数や企業選びで重視することに差があることが分かりました。昨今、理系人材の不足に悩む企業が増えていますが、理系の新卒採用を成功させるためには、学生の特徴を理解して対策を立てることが必要です。
本記事では、文系理系の就活比較や、理系採用を成功させるポイントについて詳しく解説します。優秀な理系学生にアプローチしたいとお考えの方も、ぜひご覧ください。
【最新】25卒学生に聞いた「文系と理系の就活」
エン・ジャパンは2024年2月に、「文系と理系の就活」という比較調査結果を発表しました。この調査は、25卒予定の大学生と大学院生716名を対象に実施されたものです。以下の項目について、文系と理系の就活の違いについて見てみましょう。
引用:25卒学生710人に聞いた「文系と理系の就活」比較調査 | エン・ジャパン
- 本選考のエントリー企業数
- 本選考エントリーの決め手
- 内定状況
本選考のエントリー企業数
本選考にエントリーした(または予定している)企業数を尋ねたところ、文系は平均で14.5社、理系は9.7社という結果になりました。
文系理系とも「1〜5社」と答えた人が最多でしたが、文系は28.2%、理系は38.7%となっており、理系の方がエントリーする企業を厳選していることがうかがえます。
一般的に、文系学生は3年生までにほとんどの単位を取り終わり、4年生になると学校に行く機会が減るのが特徴です。これに対し、理系学生は4年生になってからも研究や実験が忙しく、就活との両立が難しいことが、エントリー数に差が生まれた一因だと考えられます。
本選考エントリーの決め手
上記は、本選考にエントリーする上で重視することを尋ねた結果です。トップ3については、文系・理系とも同じ順で、割合にも大きな差は見られませんでした。
一方で、最もポイントに差があったのは「理念やビジョンに共感したから」という理由です。文系では4位(35.9%)なのに対し、理系では5位(23.1%)となっており、12.8ポイントの差が開きました。
内定状況
上記は、2023年1月時点の内定状況を尋ねた結果です。1〜3社の内定を得ている人の割合が、文系では32.5%だったのに対し、理系では40.6%となりました。このことから、理系の方が就活の進みが早いことがうかがえます。
また、同調査ではすでに内定を得ている人に対し、承諾状況も調査しています。これによると、「内定承諾したが就活を続けている」と答えた人が文系で40.0%、理系で38.3%にのぼることが分かりました。
企業の立場から見ると、早期に内定承諾をしてもらえたからといって安心はできない、厳しい実態が浮き彫りになりました。
志望業界トップ10
続いては、志望業界についての調査結果です。文系理系とも、トップは「メーカー」となりました。ただ、割合を見てみると文系は32.1%なのに対し、理系は50.9%となっており、約半数の人がメーカーを志望していることが分かります。
また、理系で3位にランクインした「コンサル・シンクタンク」が文系では8位、理系で8位の「医療・福祉」は文系ではランク外となるなど、文系と理系で人気の業界に差が出る結果となりました。
理系学生の就活 3つの特徴
理系学生の就活には、大きく3つの特徴があります。
- 進学率が高い
- 学校推薦がある
- 専門分野への就職が多い
それぞれ詳しく解説します。
進学率が高い
理系学生は、文系学生に比べて大学院への進学率が高いのが特徴です。内閣府の資料によれば、令和2年度の大学院への進学率は、文系理系を合わせて10.4%でした。
しかし、内訳を見てみると「人文科学」や「社会科学」といった文系学部は2〜4%台で推移しているのに対し、最も高い「理学」では40%前後、「工学」も30%台半ばとなっています。理系全体では、3〜4人に1人くらいが進学する計算です。
理系学生の場合、大学院卒として就活をすることで就職先の選択肢が増え、より高い初任給を期待できることが、進学率が高くなる要因だと考えられます。
参考:人文科学・社会科学系における大学院教育の関連データ集|内閣府
学校推薦がある
理系の就活には「学校推薦」という枠があることも、大きな特徴です。
学校推薦とは、学生が大学や教授から推薦状をもらって、繋がりのある企業にエントリーするという方法のことです。企業側から大学に対して推薦求人が寄せられることもあれば、反対に大学側から企業にアプローチすることもあります。
学校推薦を利用することで、企業は優秀な人材を確保でき、大学は学生に就職先を提供できるという、双方にとってメリットのある仕組みです。
学校推薦でも選考は受けなければならないため、必ず採用されるわけではありません。ただ、大学や教授の「お墨付き」である優秀な学生だけが利用できる枠なので、一般的な採用枠に比べて内定率が高くなります。
専門分野への就職が多い
理系学生は、大学で学んだ専門分野への就職が多いことも特徴の1つです。例えば、情報学部ならIT企業や通信会社、工学部なら機械や半導体メーカーに就職するといったケースです。
また、大学で専攻した分野と完全に一致しなかったとしても、研究で培った能力を活かして就職する例も見られます。論理的思考力や問題解決能力、忍耐力などはジャンルを問わず重宝されるため、就職を機に新しい分野で活躍することもあります。
理系採用を成功させるためのポイント
ここからは、理系学生の特徴をふまえて、理系採用を成功させるためのポイントについて解説します。ナビサイトではなかなか応募が来ない…とお悩みの方も、ぜひ参考にしてください。
- 大学や研究室とのつながりを作る
- 理系学生に合わせた採用スケジュールを組む
- 理系に特化したツールを使う
大学や研究室とのつながりを作る
優秀な理系学生と出会うためには、大学や研究室とのつながりを作ることが有効です。前述の通り、学校推薦という形で学生を紹介してもらえることがあるためです。
どの大学にアプローチすれば良いか分からない場合は、既存社員の出身大学や学部から当たってみましょう。卒業生が働いている企業となれば、教授や学生も興味を持ってくれる可能性が高いです。
また、大学とのつながりが一度できたら、関係性を維持することも大切です。定期的に大学訪問をすることで、就活の動向に関する情報も仕入れながら、毎年安定した採用数を確保できます。
◆大学や研究室とのつながりについて、さらに知りたい方はこちら
理系学生に合わせた採用スケジュールを組む
理系学生を採用するためには、採用スケジュールを学生に合わせて柔軟に組むことも大切です。
研究や実験などで忙しい理系学生は、ピンポイントで開催されるインターンシップや説明会に参加できないことがよくあります。せっかく自社に興味を持ってくれたのに、スケジュールが合わないというだけで取りこぼしてしまうのは、企業にとって大きな損失です。
理系学生が忙しい時期を把握してずらしたり、日程を前期・後期に分けて採用活動を実施したりして、なるべく間口を広げておきましょう。オンライン形式のインターンシップや選考を取り入れると、忙しい学生や地方の学生も参加しやすくなります。
理系に特化した採用ツールを使う
理系学生は、専攻分野の知識を活かして働きたいと考える人が多いのが特徴です。そのため、理系に特化したナビサイトやダイレクトリクルーティングを使うことで、求める人材と出会える可能性が高まります。
一般的なナビサイトでは、どうしても大手・有名企業に人気が集中してしまい、知名度の低い企業は埋もれてしまいがちです。その点、理系に特化した採用ツールなら、自社の技術力や社会への貢献度などをしっかりアピールできるのがメリットです。
理系採用なら『TECH OFFER』
理系学生を採用したいと考える企業は多いため、優秀な人材を確保するためには差別化が欠かせません。学生の特徴やニーズを理解したうえで、効果的なアプローチをしましょう。
「なかなか求める人材が集まらない」とお悩みの方には、ダイレクトリクルーティングサービスの『TECH OFFER』がおすすめです。『TECH OFFER』は40,000件以上の研究室データベースや100万件以上の技術キーワードに対応しており、自社にマッチした学生に直接アプローチできます。条件に合った学生に直接オファーできるため、企業の知名度に関係なく自社を知ってもらえるのもメリットです。
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