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新卒での就職活動は一生に一度しかない重要なイベントであり、大きなプレッシャーがかかります。就活生は自分を見つめなおしたり、不採用になったりして悩むことが増えるため、心を病んでしまうこともあります。
そんな時期に企業で最初に接する人事担当者は、就活生のメンタルケアに配慮することも大切です。人事が就活生を評価するだけでなく、1人の先輩として寄り添い励ますことで、自社への志望度が上がることもあります。
本記事では、就活生のメンタルケアについて、人事ができることを詳しく解説します。メンタルケアに配慮した採用活動は、企業のイメージアップにもつながるので、ぜひ参考にしてください。
就活生が抱えるストレス
就活生のメンタルケアについて考える前に、まずはどのようなストレスを抱えているのかを知ることも大切です。就活生が抱えるストレスの主な原因には、次のようなものがあります。
- やりたいことが見つからない
- スケジュールがタイトで忙しい
- 自己分析で自分の短所と向き合わなければならない
- 選考で落とされてしまう
- 周囲の内定が決まっていき、自分だけ取り残されてしまう
これらのストレスは、最終的には本人が対処して乗り越えるしかないのですが、企業側も実態を把握して、配慮したアプローチをすることが大切です。
就活生のメンタルと人事の向き合い方
就活生のメンタルにはどのような特徴があり、それに対して人事はどのように向き合っていけば良いのでしょうか。ここでは、書籍「内定メンタル」の著者で、就活セミナーの講師も務める光城悠人氏のインタビュー記事を参考に、解説していきます。
参考:「就活病」の学生のメンタルを、先輩社員や採用担当者がフォローする方法 | ダイヤモンド・オンライン
就活生をネガティブにする3つの症状
光城氏によれば、就活生がネガティブになる原因には次のような3つの症状があるそうです。
①就活病
「就活とはこうあるべき」という固定概念にとらわれてしまうことです。就活市場では、髪の色を真っ黒にして、お辞儀の角度やノックの回数を正確に守り、面接ではガクチカや志望動機を語る…といった「常識」があります。
しかし、実際に社会に出てからお辞儀やノックの仕方を意識することは、ほとんどありません。就活生の本質を知るためには、もっと適切なコミュニケーションがあるはずです。企業側も含めて、悪い意味で「就活の常識」にとらわれ過ぎて、疲弊している側面があります。
②失敗過敏症
就活生は、上記のような「常識」を求められる中で、決まった型から外れることを恐れるようになります。また、彼らはデジタルネイティブ世代なので、分からないことは何でもスマホやネットで正解が調べられる環境で育ちました。そのため、より一層失敗や挫折を恐れる傾向にあるのが特徴です。
③MNAS(エムナス)
MNASとは、「もらい(M)慣れ(N)」「与え(A)知らず(S)」を略して、光城氏が考えた造語です。社会に出るまでは、親に学費を払ってもらったり、先生に指導してもらったりと、何かをしてもらうことに慣れています。そのため、就活においても「連絡をもらう」「教えてもらう」などが当たり前だと考えてしまい、相手に与えたり、恩を返したりする意識が希薄になりがちです。
光城氏は自著の中で、上記3つの症状を「三大疾病」と呼んでいます。
人事はどう向き合うべきか
就活生の「三大疾病」は、個人の性格ややる気だけが原因ではなく、今の社会で育った以上は仕方がない部分もあります。そのため人事が採用選考をする際は、現在の姿だけでなく、入社後に三大疾病を克服して成長できそうかどうかという視点で評価することも大切です。
また、採用担当者は上の立場から一方的に評価するのではなく、良き理解者になっていくことも重要です。「当社は型にはまった就活ではなく、あなたとじっくり向き合いますよ」という姿勢で臨むことが、就活生のメンタルケアにつながります。
人事が提供できるメンタルケア3選
ここからは、人事が提供できるメンタルケアの具体例を3つ紹介します。
- インターンシップや説明会で就活の心構えを伝える
- 就活生と一緒になって課題や目標を設定する
- 選考スケジュールは柔軟に対応する
それぞれ詳しく見てみましょう。
インターンシップや説明会で就活の心構えを伝える
就活生のメンタルケアでは、本選考が始まる前の段階で就活の心構えを伝えてあげることが有効です。具体的な心構えには、次のようなものがあります。
- 「不採用」という結果は、その企業とマッチしなかっただけであって、あなたの人格を否定するものではない
- 早く内定を取るのが勝ちではない
- 息抜きしながらでも、最後まで諦めずに頑張ることが大事
これらのメッセージを、インターンシップや説明会など就活の早い段階で伝えてあげると、実際に落ち込んでしまったときに役に立ちます。また、自社に応募するかどうかに関わらず就活生を応援する姿勢は、企業のイメージアップにもつながります。
就活生と一緒になって課題や目標を設定する
就活生と一緒になって、課題や目標を考えてあげることもメンタルケアになります。
就活生の中には「自分がやりたいことが分からない」と悩む人も多いです。少し興味があるから応募しただけなのに、ESや面接では立派な志望動機やビジョンを語ることを求められ、苦しい思いをすることもあります。
もし、関わった就活生にそのような様子が見えたときは、正直な気持ちを聞いて「あなたにはこれが向いていると思う」「こういう目標がはどうか」など、一緒に考えてあげることが有効です。
また、二次面接や最終面接などに進んだ人に対しては、人事が味方になってあげて、前回の面接のフィードバックや次につながるアドバイスをしてあげるのも良いでしょう。
選考スケジュールは柔軟に対応する
過密スケジュールも就活生のストレスの一因になっているため、企業側が柔軟に対応してあげることもメンタルケアにつながります。
「うちはこの日しか受け付けません」「来れない人は結構です」という姿勢ではなく、なるべく複数の日程を設けて、調整してあげましょう。特に地方学生が都会で就活する場合は、交通費や宿泊費がかかるため配慮が大切です。
地方学生からは、選考の際に「他社の選考で上京する予定はありますか」や「このあと時間が合えば、役員面接も受けていきますか」と気遣ってもらえて嬉しかった、という声もあがっています。
就活生のメンタルケアにおける注意点
就活生の悩みを聞いたり、相談に乗ったりすることは良いことですが、距離の取り方を誤ると就活ハラスメントを疑われたり、実際にハラスメントをしてしまったりする可能性があります。高圧的な態度や、人格を否定するような言葉は論外ですが、以下のような行動は軽い気持ちでとってしまう人もいるため、注意が必要です。
<就活ハラスメントの例>
- 就活の相談という建前で、個人的な食事やデートに執拗に誘う
- 自社が内定を出す条件として、他社の内定辞退を約束させる
- 交際相手の有無や、結婚・出産の意向をたずねる
就活ハラスメントについては、採用担当者はもちろんのこと、OB・OG訪問に対応する社員や、インターンシップで関わる社員も含めて学んでおくことが大切です。
参考:カスタマーハラスメント・就活ハラスメント等防止対策強化事業 <企業の皆様へ>|厚生労働省
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就活生のメンタルケアは、自社への志望度を高めたり、内定辞退を防止したりするうえでも大切な取り組みです。「就活とはこうあるべき」という固定概念を見直して、就活生も企業もお互いに負担が少なく、かつ、本質を見極められるような採用活動を考えていきたいものです。
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