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新卒採用は年々難化しており、選考時期を早める企業が増えています。みなさんの中には「自社はどう対応すれば良いのか」「早期化するメリット・デメリットは何なのか」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
そんなときは、実際に早期選考を導入して新卒採用に成功した企業の事例を参考にするのがおすすめです。
本記事では、早期選考に成功した企業の事例や、メリット・デメリットについて詳しく解説します。なかなか目標人数を充足できずにお悩みの方も、ぜひご覧ください。
早期化する新卒採用とその背景
近年、新卒採用の早期化が加速しています。株式会社リクルートが実施した調査によれば、25卒の6月1日時点の就職内定率は82.4%でした。これは、就活解禁日が現行のスケジュールになった17卒以降、最も高い数値だそうです。
新卒採用が早期化している背景について、次の2つの視点で解説します。
- 少子化による採用難
- インターンシップ制度の改正
少子化による採用難
引用:新卒採用の「早期化」は何が問題なのか | マイナビキャリアリサーチLab (mynavi.jp)
日本は、少子化によって新卒人材の人口が年々減少しています。さらに、世の中の業種や職種も多様化しているため、企業と学生のマッチングも難しくなっているのが現状です。
上記のグラフは、マイナビが新卒採用を行う企業に「採用充足率」と「内定者満足度」を調査した結果です。これによれば、24卒の採用充足率は75.8%、「質・量とも満足」と答えた企業は22.4%という結果になりました。いずれも、16卒の調査以降、最低の数字となっています。
同調査では、今後の採用環境の見通しについても尋ねていますが、「非常に厳しくなる」「厳しくなる」と回答した企業が合わせて69.2%に上りました。人材獲得競争に勝つために、採用活動が早期化しているものと考えられます。
インターンシップ制度の改正
新卒採用の早期化には、インターンシップ制度の改正も関係しています。
これまで、インターンシップはあくまで職業体験のために実施されるものと位置づけられており、企業が参加学生を選考することは禁止されていました。しかし、実態としては学生を選考する企業や、アルバイトのように働かせる企業が増え、さまざまな弊害が生まれていました。
そこで整備されたのが、新しいインターンシップ制度です。目的や形式によって4つのタイプに分類され、条件を満たすものについては採用直結型で実施することが認められました。このインターンシップ制度の改正も、新卒採用を早める一因となっています。
学生の反応は二極化
新卒採用の早期化について、学生はどのように受け止めているのでしょうか。ここでは、株式会社リクルートのイベントレポートをもとに、キャリアデザインやキャリアコンサルティングの専門家の意見を紹介します。
この記事によれば、新卒採用の早期化は、学生によって反応が二極化していると言います。やりたいことがすでに決まっている学生はポジティブに捉える一方で、まだ決まっていない学生は、心の準備ができず、急かされていると感じることもあるようです。
また、早期化した選考は、1月中旬〜下旬に行われることが多いのが特徴です。この時期は、ゼミや定期試験とも重なるため、学業に支障が出ることが懸念されます。
早期化を意識する学生の中には、早ければ1年生からアルバイトではなく有償のインターンを選ぶ人もいるということでした。
参考:採用選考の早期化に対する学生の反応が二極化― 2024年卒学生の就職活動の実態と大学の現場から見た就活生のリアル |株式会社リクルート (recruit.co.jp)
早期採用参加者の確保に成功した事例3選
採用スケジュールが年々早期化する中、早期採用参加者の確保は重要です。ここからは、早期採用参加者の確保に成功した事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
ウシオ電機株式会社
ウシオ電機株式会社は、光技術・製品のリーディングカンパニーです。数多くの世界シェアNo.1製品の誕生に貢献しています。
そんなウシオ電機株式会社が抱えていた課題は、ターゲットとする理工系学生の母集団形成でした。ナビサイトに加え学内説明会や理系に特化したイベントに参加していたものの、なかなか人が集まらない状態が続いていたのです。
ターゲット層にアプローチするために様々な施策を展開するも、手間に対する効果が見合っていませんでした。
そこでダイレクトリクルーティングの『TECH OFFER』を導入。自社が求める学生に直接アプローチを開始します。
『TECH OFFER』ではオファー時にステータスを細かく設定できるため、効率良く学生とマッチングできます。導入1年目にして母集団の4割以上を『TECH OFFER』経由で募集でき、早期選考の半数まで満たせました。結果、自社が求める人材の採用に成功しています。
参考記事:「早期選考参加者の半数をテックオファー経由で獲得」
株式会社ADKホールディングス
株式会社ADKホールディングスは、国内外で幅広く広告・マーケティング業を手掛ける企業です。広告業界というと文系のイメージがあるかもしれませんが、近年はデータドリブンマーケティングに力を入れており、データサイエンスや統計学を学んだ理系学生を採用したいと考えていました。
そこで、理系学生にアプローチできるさまざまな採用ツールを比較検討した結果、分析経験のある学生や、理系の中でも幅広い業界で就活している学生と出会える『TECH OFFER』を導入することにしたのです。
実際に利用してみた結果、想像していた以上に今までとは異なる層の学生に出会うことができたと言います。25卒の早期選考では、前年の5倍のエントリー数を獲得することに成功したということです。
参考記事:「データコース採用過去最大の母集団形成に成功!データ人材・統計学人材のマッチングを実現 」
オーエスジー株式会社
オーエスジー株式会社は、ドリルやエンドミルといった切削工具を製造販売する企業です。長年培った高い技術力で、自動車産業や航空宇宙産業など、あらゆる業界のものづくりを支えています。
オーエスジー株式会社が抱えていた採用課題は、母集団の形成でした。地元の愛知県では知名度があるものの、県外ではあまり知られておらず、ターゲットとなる高学歴学生へのアプローチに苦戦していたと言います。
そんな中、オファー型採用の存在を知って導入したのが『TECH OFFER』でした。採用の早期化に対応するため、選考を早期と後期の2つに分けて実施した結果、早期ではインターンシップを通じた採用選考で27名に内定を出せました。そのうちの8割は『TECH OFFER』経由で応募してくれた学生だったそうです。
参考記事:「利用開始1年で高学歴学生の内定多数!地元以外の学生からも多数の応募を獲得 」
早期採用を実施するメリット
早期採用を実施すると、通常のスケジュールでは得られないさまざまなメリットがあります。特に以下の4点は、早期採用をする上で知っておきたいメリットです。
- 優秀な学生を確保しやすい
- 多くの学生と出会える
- 採用活動の質を高められる
- ギリギリまで採用活動をしなくていい
優秀な学生を確保しやすい
早期採用を実施するメリットで最も大きいのが、優秀な学生を確保しやすい点です。早期から就職活動をしている学生は、将来について本気で考えていることが多い傾向にあります。情報感度も高く、企業としてはぜひとも欲しい人材です。
こうした優秀な学生を他社より先んじて確保できる点は大きいと言えます。
ただし、早期に確保したからといって放置してはいけません。適切に内定者フォローをしないと退職に繋がる危険性があります。
多くの学生と出会える
早期採用には、多くの学生と出会えるメリットがあります。特にインターンシップは、様々な属性の学生が参加してくれます。
学生は、志望度や応募の時期などで志望業界が変わるものです。そのため、選考期間が短いと会えるタイミングを逃してしまうことになりかねません。
更に多くの学生は、内定をもらった時点で就職活動を終了します。採用スケジュールが後ろになればなるほど、出会えるタイミングが減るのです。
そのため、多くの企業が早期採用を実施し、多くの学生と出会っています。
採用活動の質を高められる
早期採用は、早くから採用活動のために動きます。そのためブラッシュアップをする期間が長く、採用活動の質を高められます。PDCAを回して、より効果的な採用方法へ修正できるのです。
例えばダイレクトリクルーティングの場合、企業の説明文やオファーの文言を少し変更するだけで、反応が全く異なります。これだけでも早期採用が有利なのがわかります。
更に早期採用をすることで競合他社の分析を早い内からでき、差別化も容易です。採用活動の質を高めるという点で、早期採用は非常にメリットの大きい方法と言えます。
ギリギリまで採用活動をしなくていい
早期採用は3年生の時点から人材確保のために動きます。そのため、卒業ギリギリまで採用活動をする必要がなく、以下のタスクにも時間を割きやすくなります。
- 内定者フォロー
- 入社準備
- 来年度の準備
採用活動は、遅れれば遅れるほど採用担当者への負担が増えます。焦って自社に合わない学生を採用してしまうと、お互いに不幸な結果を招くかもしれません。そのような事態を避けるためにも、早期採用は重要です。
ただし早期に内定を出すと、内定辞退となる可能性があります。採用担当者には適切なフォローが求められます。
■内定辞退の対策について詳しく知りたい方はこちら
早期採用を実施するデメリット
早期採用はメリットばかりではなくデメリットもあります。両者を知った上で、実施するかどうかの判断をしましょう。特に以下の2つのデメリットは大きいものです。
- コストがかかる
- 内定者フォロー・研修が長期的に必要
コストがかかる
早期採用は、新卒採用のスケジュールよりも半年以上早い時期から動きます。そのため、通常の採用スケジュールに比べてコストがかかるのがデメリットです。
具体的には、ナビサイトでインターンシップを募集するのに別料金がかかったり、内定者フォローのためのイベントが増えたりすることが考えられます。
資本力のある企業はインターンシップを実施して早期採用を実施できますが、体力のない中小企業だと難しい面があります。採用活動も長期になるため、採用担当者への負担も考慮しなければなりません。
早期採用をする際は、コストをどこまでかけられるのかも考えておきましょう。
内定者フォロー・研修が長期的に必要
早期採用は、内定した後のフォローが必須です。早期に内定を出すため、学生の不安を払拭し続けなければいけません。学生は以下のような不安やきっかけで内定を辞退してしまうため、注意が必要です。
- 漠然とした不安
- 将来への不安
- 親からの反対意見
- 友達が就職した企業の方が良く見えた
- 他に良い企業があった
他社の意見や不安に振り回されないためにも、適度なタイミングで内定者フォローや研修を実施しなければなりません。内定者フォローは、会場を借りて実施する場合もあるでしょう。時間もコストもかかります。もちろん、採用担当者の負担も増えます。
長期の内定者フォロー・研修が必要な点は、早期採用の大きなデメリットです。
早期採用に対応するならダイレクトリクルーティングの『TECH OFFER』
早期採用は、多くの企業が導入し始めている採用方法です。意欲の高い学生が多く参加することから、優秀な人材を採用したいなら実施を検討しましょう。採用活動の質も高められ、次年度へ活かしやすいメリットもあります。
一方で、採用活動が長期化するためコストと労力が必要です。採用担当者にとって、大きな負担となるでしょう。
そこで活用したいのがダイレクトリクルーティングの『TECH OFFER』です。欲しい人材に直接アプローチして関係性を作れるため、早期採用後のフォローもしやすくなります。企業の規模・知名度に関わらず、大企業と早期採用で戦えます。ぜひ一度お気軽にご相談ください。