理系採用をするにあたって、エージェントを利用しようと考えている企業も多いでしょう。
エージェントは通常の採用よりも遙かに効率的に人材を集められるのがメリットですが、一方でデメリットも存在します。
そのためエージェントはメリット・デメリットを知った上で利用することが、何よりも大切です。
今回は理系採用でエージェントを利用するメリット・デメリットについて詳しく解説します。
なぜ理系採用でエージェントが必要なのか
そもそも何故、理系採用でエージェントが必要なのでしょうか。
一般的にエージェントを必要とする理由として以下の3つが挙げられます。
- そもそも理系学生の数が少ない
- 新卒採用で就職活動する理系学生が少ない
- 大手志向が強い
どういったことかそれぞれ詳しく見てみましょう。
そもそも理系学生の数が少ない
医学部や薬学部など特定の職業に就く可能性が高い学部を除けば、理系の学生数は年々減少傾向です。
学生の数が減っているのではないかと思う方もいるかもしれませんが、文部科学省のデータから見ても学生の数は増え続けています。理系学生の数が減っているということは、理系を選択する学生が減っていることに他なりません。
理系学生が減った理由は、学費が高いなど様々な理由があるでしょう。理系学生の数が減っている以上、企業間で採用競争が起こるのは当然です。
参照元:文部科学省「文部科学統計要覧」
就職活動する時間が少ない
理系学生の就活スケジュールは文系学生と大きく異なります。
就職活動に入るのは同じ時期ですが、理系学生は大学3年生の終盤から研究室に入り、卒業するまで自分の分野の研究を続けます。研究以外にも大学の講義・学会での発表・発表への準備など、研究室で様々なことをこなさなければなりません。
そうすると、就職活動に使える時間が少なくなります。
文系学生と同じく数十社に応募し、何十回と面接を受ける時間は理系学生にはありません。
そのため理系学生は大学・研究室から推薦を受けて就職をすることも多いと言えるでしょう。
大手志向が強い
理系学生は大手志向が強いため、エージェントを利用する必要が出てきます。
主な就職先としてはトヨタ自動車やSONYなど、名だたる有名企業に集中しています。
そのため、学生の中で認知度が低い会社にはなかなか理系学生が来てくれないのが現状です。大手志向が強い理系学生を求めるのなら、ただ待っているのではなく企業自ら動く必要が出てきます.
そういった時にエージェントを利用することで、大手志向が強い理系学生に効果的にアプローチし、採用まで繋げられます。
中小企業にとって強い味方となってくれるのがエージェントなのです。
理系採用でエージェントを使うメリット
理系採用でエージェントを使うメリットには、以下があります。
- 完全成果型報酬のため費用を抑えられる
- 採用までの工数を削減できる
- 急な採用増員にも対応できる
- 希望を盛り込んだ採用ができる
- 非公開で採用できる
- 自社に関心のない学生を紹介してもらえる
- 学生の希望・意見がわかる
それぞれどういったものか詳しく見てみましょう。
完全成果型報酬のため費用を抑えられる
採用方法には掲載料金型と成果報酬型の2種類がありますが、それぞれかかる費用が違います。
- 掲載料金型:一度に大人数を採用するのに向いている
- 成果報酬型:少人数の採用に向いている
理系学生を採用するにはメジャーな方法の掲載料金型では、掲載料金と比較してもそれほど多くの人数を集められません。
一方の成果報酬型であるエージェントであれば、1人の採用にかかる費用は高いのですが、理系学生をピンポイントで採用できます。
そのためエージェントを利用する方が理系採用においては費用を抑えられ、メリットとなる場合が多いのです。
採用までの工数を削減できる
通常、採用活動においては様々な労力が必要となります。
- 書類選考
- 面接スケジュールの管理
- 募集掲載文の編集
採用を担当している方の中には、これらの工数を負担と感じている方も少なくないでしょう。
エージェントを利用することで、採用に関係する工数の一部をエージェントがフォローしてくれます。たったそれだけと思うかもしれませんが、思わぬ負担の軽減にもなるため、より採用に集中できるようになります。
エージェントを利用するとより効果的な採用を実施することも可能でしょう。
急な採用増員にも対応できる
採用をしていると、内定辞退などで急に求人をしなければいけないケースが多々あります。
そういった場合、掲載料金型の求人だと「掲載の申請→掲載→学生の応募」といった流れで行うため、追加の人員を採用できるまで非常に多くの時間がかかります。
一方でエージェントを利用すると、所属している紹介会社に既に登録している理系学生の中から採用条件に合った人材を紹介してくれるため、すぐに対応が可能です。
そのため、急な採用増員にも対応しやすいというメリットがあります。
希望を盛り込んだ採用ができる
エージェントを利用するにあたって採用要件や求める人物像を事前に提示するため、希望を盛り込んだ採用が可能です。エージェントはその希望に沿って人材を見つけてくるので、希望通りの人材と出会える可能性が高くなります。
サービスによっては専門知識に特化した人材を紹介してくれるため、どんな人材が欲しいのかをあらかじめ決めておくことが重要です。
求める理系学生像を正確に伝えることで、採用時に「合わなかった」と感じる部分がなくなり、すぐに退職といったデメリットも無くなります。
理系学生の採用時に大きくプラスとなるでしょう。
非公開で採用できる
エージェントを利用することで、非公開で採用活動ができるメリットがあります。
掲載料金型と違ってエージェントが人材とマッチングさせてくれるため、他の人に求人を見られないためです。
非公開で求人したい理由は様々なケースが考えられますが、例えば新規事業を立ち上げたり海外進出したりといったことがあるでしょう。
そういった「他社に知られたくない」事業に関しての採用をしたい場合、非公開求人はプラスに働きます。
エージェントを利用することで、非公開で希望する人材が集められるのは大きなメリットと言っていいでしょう。
自社に関心のない学生を紹介してもらえる
先述したように理系学生は大手志向が強く、そのほとんどが大手メーカーやIT企業へと就職してしまいます。
そのため掲載料金型の求人サイトで求人を出しているだけでは、なかなか理系学生が来てくれないのが現実です。
従来の採用活動では学生がまず企業に関心を持ってくれるのが大前提であったため、このような歪みが起こってしまっています。知名度の低い中小企業にとっては大きな痛手です。
エージェントならば、学生が自社に関心がなくとも、相性が良さそうだと判断されれば紹介してくれます。
理系学生にとってみれば単純に企業を知る機会が増えるため、最初は関心がなくともその後の対応次第では興味を持ってくれることも十分にあり得ます。
自社に関心を持っていない学生を紹介してもらえるのは大きなメリットです。
学生の希望・意見がわかる
採用活動をしていると、学生の生の声を聞く機会はなかなかありません。
仮に聞けたとしても、こちらに気を遣っている場合などがあるため正確な意見とは言いがたいでしょう。
かつて就職活動をしたことがある方なら、何となくピンと来るのではないでしょうか。
エージェントならば理系学生の感想をヒアリングしてくれます。自社に対して理系学生が感じた魅力やマイナスの部分を集めることによって、次回以降の採用に活かせられるのは大きなメリットです。
理系採用でエージェントを使うデメリット
理系採用でエージェントを使うメリットは多数ありますが、もちろんデメリットも存在します。
- 1人あたりの採用コストが高い
- 出会える学生の数が少ない
それぞれ詳しく見てみましょう。
1人あたりの採用コストが高い
エージェントを利用するデメリットの1つに、1人あたりの採用コストが高いというものがあります。
これは成果報酬型であるため仕方ないのですが、新卒の場合なら約100万円前後かかる場合があるほどです。
サービスによって違ってくるため一概には言えませんが、掲載料金型と比べても1人あたりのコストが高いのがエージェントの特徴となっています。しかし、その分メリットも大きいため、効果的に活用することが大切です。
- 理系学生
- 上位校出身
- 規定の分野
ターゲットが定まっている場合に最大の効果を発揮するのがエージェントでもあります。
他の採用方法も実行しながら使うのが良いでしょう。
出会える学生の数が少ない
出会える学生の数が少ないのも、エージェントのデメリットの1つとなっています。
なぜなら、エージェント紹介サービスに登録している理系学生しか紹介できないからです。
そのため大手求人掲載サイトと比べると、どうしても出会える学生の数が少なくなってしまいます。登録者という母数が少ないため、こればかりはどうしようもありません。
より多くの人に応募して欲しい場合は、マイナビやリクナビといった掲載料金型サイトに求人を掲載しながら、自社のサイトでも求人情報を載せるといった工夫が必要です。
まずは理系学生の目に求人が触れることを意識しながらエージェントを使うようにしましょう。
まとめ
理系学生の採用は文系学生のように上手くいかない場合が多いと言えます。
就職活動のスケジュールは文系学生と同じですが、同時期に研究も始まるため就職活動に時間が割けません。
そんな理系学生を採用する場合、エージェントを利用することでスムーズな採用が可能です。
特に中小企業にとっては大手志向の強い理系学生を採用できるチャンスでもあるため、積極的に活用していきましょう。
ただ1人あたりの採用コストは高くなるため、エージェントを利用する際は従来の採用方法と併用する形で行うことがオススメです。