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新卒採用が難化するなかで、インターンシップやSNS、スカウトなど学生を集めるための方法は多様化しています。 採用担当者のなかには、「やるべきことは分かっているけど時間が足りない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときに検討したいのが、ITツールによる業務効率化です。 なかでも、欲しい情報を対話形式で提供してくれるChatGPTは最も注目を集めているツールの1つです。
本記事では、ChatGPTとは何か、採用活動にどのように活用できるのかについて詳しく解説します。求人広告やスカウトメールの文章作成でお困りの方も、ぜひ参考にしてください。
ChatGPTとは
ChatGPT(チャットジーピーティー)とは、アメリカのOpenAI社が開発したAI(人工知能)プログラムのことです。言語処理技術を駆使して、人間のように自然な対話ができるのが特徴です。
ChatGPTは、膨大なテキストデータを機械学習しているため、使うたびに精度が上がっていきます。調べものだけでなく、文章や物語の作成、スケジュール作成、プログラミング、データ分析など幅広い分野に対応できるツールとあって、世界中で注目を集めています。
採用活動におけるChatGPTの活用法7選
ChatGPTは採用活動にも活用できます。主な活用法として、次のようなものがあります。
- 求める人物像の作成
- 選考基準の作成
- 求人広告の作成
- 日程調整
- スカウトメールの作成
- 面接の質問の作成
- 多言語の翻訳 など
ChatGPTは、与えられた情報を整理したり、条件を満たす情報をリストアップしたりするのが得意です。特にアイデア出しの作業では、人間がゼロから考えるよりも圧倒的に速く、多くの候補を出してくれます。
採用担当者の中には、求人広告や採用サイトの文章を作成するのに苦戦している方も多いのではないでしょうか。特にアクセス数を大きく左右するキャッチコピーの作成は、限られた文字数でインパクトを与えることが求められるため、悩みどころです。
そんなときにChatGPTを活用すれば、一瞬で指定した数の候補を挙げてくれます。以下は、「IT企業のシステムエンジニア募集」を条件にして操作した例です。
上記の例では簡易的な企業情報しか与えていませんが、少ない情報でもさまざまな視点でキャッチコピーを生成してくれました。企業の強みや社風など、詳しい情報を入力することで、さらにオリジナリティあるキャッチコピーの生成が可能になります。
ChatGPTを採用活動に利用するメリット
ChatGPTを採用活動に利用すると、次のようなメリットがあります。
- 作業時間を短縮できる
- 採用コストを削減できる
- 客観的な判断ができる
それぞれ詳しく解説します。
作業時間を短縮できる
ChatGPTを使うことで、作業時間を大幅に短縮できます。例えば、履歴書や適性検査の結果のような大量の情報をスクリーニングしたり、分析したりすることが可能です。
また、選考基準を決めたり、求人広告を作成したりする際のアイデア出しに活用すれば、短時間で多くの候補を挙げられるのがメリットです。
採用コストを削減できる
ChatGPTに書類選考や適性検査の判定、メール作成などの一部を任せることで、採用担当者の工数が減り、人件費を削減できます。
また、応募者情報の分析の精度を上げていけば、そもそも適性検査の実施を省くことも可能です。一般的に、外部に適性検査サービスを依頼すると、1人あたり500〜数千円の費用がかかります。そのため、適性検査の費用が不要になれば、採用費の大幅な削減につながります。
客観的な判断ができる
ChatGPTを活用すれば、客観的な判断が可能になります。
例えば、担当者が複数いる採用チームの場合、人によって判断基準が変わってしまう可能性があります。ある人が選考すれば通過するのに、別の人が選考したら落ちてしまうのでは、公平性が保てません。
その点、ChatGPTなら個人の主観や感情に左右されることなく、設定した判定基準の通りに判断してくれます。
ChatGPTを採用活動に利用するデメリット
便利なChatGPTですが、採用活動に利用するデメリットもあります。導入する際は、以下の点に注意してください。
- 必ずしも正しい情報ではない
- 情報漏洩のリスクがある
必ずしも正しい情報ではない
ChatGPTが生成する文章や情報は、100%正しいわけではありません。OpenAI社が開発時に学習させた情報自体に誤りがあった場合、ChatGPTはその内容をさも正しい情報かのように提供してきます。
また、ChatGPTの学習データは2021年9月時点のものであり、それ以降の情報は反映されていません。つまり、最新情報は提供できないのです。
以上のことから、ChatGPTで生成した情報をそのまま求人広告に載せたり、メール送信したりすることにはリスクがあります。情報を利用する際は、必ず人間の目で最終確認をするようにしましょう。
情報漏洩のリスクがある
ChatGPTは、ユーザーが入力した情報を学習データとして蓄積するため、応募者の個人情報や企業の機密情報をそのまま入力するのは危険です。
実際、Amazon社では関係者によって入力された社外秘データが、他のユーザーからの質問に対する回答として提供されたという情報もあります。このような事例を受けて、大手企業や自治体では、ChatGPTの使用を禁止するところも出てきました。
ChatGPTを利用する際は、普段以上に個人情報の取り扱いに注意することが必要です。
ChatGPTを活用する際のポイント
ChatGPTは、メリットとデメリットをよく理解して活用すれば、採用活動の強い味方になります。ここからは、活用する際のポイントを解説します。
- 重要な条件は先に教える
- 出力するものを明確にする
- 最終確認は必ず人間が行う
重要な条件は先に教える
ChatGPTに質問するときは、最初に重要な条件を伝えることがポイントです。例えば求人広告の文章を生成するのであれば「あなたは新卒採用の担当者です」や「○○な人材を確保したいと考えています」といった情報を与えます。
ChatGPTは、特に指定がなければ平均的な回答をする傾向があります。そのため、先に上記のような前提条件を伝えたうえで「キャッチコピーを考えてください」のように指示を出すことで、より精度の高い回答が得られるようになります。
出力するものを明確にする
ChatGPTで狙い通りの回答を得るためには、出力形式を指定することも大切です。例えば「○○について400文字で要約してください」や「○○を箇条書きで5つ挙げてください」などが有効です。
慣れるまでは、抽象的で当たり障りのない回答が出やすいかもしれません。その場合は、続きの質問として「上記の2番について、もっと○○な表現にしてください」のように、対話を重ねて調整していくことで、より正確な回答に近づけます。
最終確認は必ず人間が行う
ChatGPTの回答は、必ずしも正しい情報とは限りません。また、採用活動や求人広告においては、就職差別を防止する観点から、使うべきでない言葉や言い回しなどもたくさんあります。しかし、ChatGPTが生成する文章には、専門的な細かいルールまでは考慮されていません。
そのため、生成した情報や文章は必ず人間の目で最終確認をしてから外部に出すことが重要です。
スカウトの自動化なら『TECH OFFER』
ChatGPTは、うまく使えば採用活動の時間やコストを削減し、より公平な選考を実現できる便利なツールです。使いこなすためにはコツがありますが、さまざまなサイトでプロンプト(ChatGPTの指令文)の具体例も公表されているので、まずは実際に触ってみてください。
また、ChatGPTは採用担当者だけでなく、就活生の間でも利用する人が増えています。就活生のChatGPT・SNSの利用状況に関する調査結果をまとめたお役立ち資料がこちらです。無料でダウンロードできますので、ぜひ参考にしてください。